
実は友人にも「心理カウンセラー」を勉強中の人が何人かいるのだが、実際、どうやってなるもんなのか。また、心理カウンセラーがして良いのはどこまでで、何をしちゃダメなのか。
日本心理カウンセラー学院の広報担当者に聞いてみた。
「実は、『心理カウンセラー』というのは、国家資格がないんです。だから、極端に言うと、『カウンセラー』と自分で言ってしまったら、その日から『カウンセラー』なんです」
えっっ!? じゃ、私もいっちょ今日から名乗ろうか。
「いちばん近いのは『臨床心理士』ですけど、ただ、これもやはり国家資格ではなく、一種は大学院で単位をとり、試験に通れば認定されるもの。また、二種は単位をとって実習を受け、試験に通ればなれるんですよ」
これを認定するのは「臨床心理士会」で、臨床心理士になった人は、不登校の生徒のケアなどをする「スクールカウンセラー」や、災害時のボランティア、病院・クリニックでの勤務をする人が多いそうだ。
つまり、臨床心理士の場合は有資格者だけど、「心理カウンセラー」といっている人は、国家資格じゃないだけに、正確には全員「自称カウンセラー」ってこと!?
「民間の学校などでも資格の認定は出せちゃうんですよ。ウチの場合、1年ぐらい勉強をして単位をとり、試験に合格すれば認定しています」
ちなみに、現在、日本にいる「心理カウンセラー」は“自称OK”なだけに、本を読んで独学している人なども含めると、数え切れないとか。
また、心理カウンセラーは当然、医療行為やクスリの処方などはNGだが、セミナーを開催するなんてことは可能なのだという。
「それだけに、立場を悪用するような事件が起きると、非常に腹立たしいです。『カウンセリング』は使い方を間違えると武器になりますから。
日本心理カウンセラー学院は創業3年だが、まだ卒業生の中から「心理カウンセラー」として開業できたのは5人程度。施設などでカウンセリングの仕事をしたい場合も、まずボランティアをするとか、自分で努力し、アピールすることが大切だそうだ。
資格がないから、基本的には誰でも名乗れる「心理カウンセラー」。とはいえ、それでカンタンに食える仕事でもないのだった。
(田幸和歌子)