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カタクリ粉の現状に迫る

2006年5月18日 00時00分

咲き始めのカタクリ。この後、花びらがイナバウアーのように後方に丸まっていく

カタクリ粉。指で押すとキュッとした感覚のする白くサラサラとした粉、トロトロあんかけ大好き人間には欠かせない食材。家庭用だけで年間2万トンも消費されているという。ご存知の方も多いと思うが、現在売られているカタクリ粉の原料は、野に咲く「カタクリ」ではなく栽培した「ジャガイモ」である。

カタクリは高さ20cmほどの小さな植物。きれいな花が咲くけれど、小さいだけに鱗茎(りんけい:球根みたいなもの)からカタクリ粉を作っても、ほんの少ししかできない。カタクリ群生地のある栃木県佐野市でカタクリ粉等を生産する、(株)波里の黒田さんから頂いた資料によると、明治の頃まではその名のとおり、カタクリ粉は本物のカタクリから作られていた。その後北海道開拓でジャガイモ栽培が盛んになるにつれ、大量に採れ値段が安く、性質もよく似たジャガイモ製カタクリ粉が主流となって、大正中期にはほぼ100%がジャガイモ製に。しかし名前の方は「カタクリ粉」のままで、現在に至っている。波里さんのカタクリ粉もジャガイモ製だ。

ジャガイモ製なのにカタクリ粉と呼んでもいいのか。「全国片栗粉組合連合会」会員、三幸食品(株)の斉藤さんに聞いてみた。
「はい。農水省にも認められた商標です。似たようなものに、くずもちがあります。本来のくずもちは本くずから作るものですが、関東のくずもちは小麦のデンプンを寝かせたものが原料ですよね。ワラビ餅もそうです。本来は山菜のワラビの根から作るのですが、甘藷(サツマイモ)のデンプン製が多く、最近ではタピオカベースのものまであります」
とのことで、カタクリから作っていなくても、カタクリ粉と言ってよいのだそうだ。

では現在、「元祖」であるカタクリ製カタクリ粉は手に入るのか。再び斉藤さんに聞いた。
「商業ベースでは全く生産されていません。微量しか採れない上に、カタクリは貴重な植物で、群生地は保護の対象になっていますから」
入手は不可能と言えそう。

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