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星飛雄馬の姉・明子は、実は恐ろしいおなごです

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名作であることは確かではありますが、改めて読んでみると、まだまだ新発見が色々あります。

ご存じ、梶原一騎と川崎のぼるの名作、『巨人の星』。昨年、花形満を主人公として再編集&新作カットを含めた作品『猛虎 花形満』がWOWOWで放送されたり、最近も「ズレ勤の星」とかいって、地下鉄のオフピーク通勤のイメージキャラクターとして、ポスターなどで使われたりと、まだまだ「ご健在」である。
実は作中、「父・星一徹は全然ちゃぶ台をひっくり返していない」などは、すでにかなりの人に知られているが、改めて原作を読んでみると、世間一般のイメージが実際と大きくかけ離れていることの多さに気づく。
その最たるものが、飛雄馬の姉・明子のキャラだ。

“星明子”と聞くだけで、このマンガを知る、おそらく8割以上の人が、
「ああ、木とか電柱の陰でいつも見守って、泣いてるお姉さんでしょ」「控えめで、内助の功みたいなひとね」と言うだろう。

だが、彼女、実はけっこうキツイ。えげつない。
たとえば、講談社KCスペシャルシリーズに見る『巨人の星』6巻P53では、大リーグボールの真価についてご近所さんたちに熱弁をふるい、感動の涙を流す父・一徹の後ろで、明子はニヤリ。明らかにその表情には、「また泣いてるわ」的な感情が見てとれる。お父さんをバカにしてるじゃろ?
また、7巻P37では、一徹を前に、弟・飛雄馬のことを「野球人形のムード」「若いのに青春がないのね」などと、残酷に指摘する。真実であるだけに、残酷すぎます。

そして、気になるのが、明子の常に「上から目線」なところだ。
同じく7巻P117では、新年の挨拶にわざわざ訪れた近所の皆さんに対し、このセリフ。
「長屋のみなさんありがとうございます(ぺこり)」。
飛雄馬はじめ、誰もが貧しい住まいに対して引け目を感じ、「こんな長屋」などと日々、グチッているのに、わざわざ「長屋のみなさん」って……。そんな挨拶ありますか。
飛雄馬も飛雄馬で、姉・明子とともに立派なマンションに越す際には、親友の伴宙太をこきつかい、挙句、
「ああけっこう ほんとうに伴よ ご苦労さんだったな」(7巻P187)と、まるで部下に手伝いをさせた上司のような厚かましさ。しかも、傍らで、明子はというと、
「あたし はでなことのきらいな宙太さんが飛雄馬がマンションに引っ越すのを手つだってくださるなんて意外だったわ」
と、どこか見下した発言をしている。伴宙太、もう踏んだり蹴ったりですよ。

この「上から目線」は、まだまだ続く。飛雄馬に近づくタレント・「オーロラ三人娘」の橘ルミと初対面のときは、明らかに怪訝そうな顔で、
「あ…あなた、どなた?」。
彼女と弟・飛雄馬の付き合いを反対する伴が、「もうちっとましな女はおらんのかっ」「た…たとえば……明子さんのごとき…ですな!」と、真っ赤な顔で必死で告白した際にも、不敵な笑いでこう言ってのけるのだ。
「ほほほ…いまの飛雄馬はいろんなことをためしてみたいのよ。自分は若くて野球人形でないことをたしかめるため!」
少しぐらい謙遜したって良さそうなものなのに。何より、思い切って告白した男の純情が、あまりに軽く流されすぎです。

他にも、父・一徹に対し、さらりと「お父さん、たまにはいいことを言う」などと、いかにも言外に「普段はろくでなし」という意味をふくんだコメントがあったりもする。
おとなしく控えめに見えて、その実、常にグサグサ人を傷つける物言いをする明子。そして、ゆくゆくは花形夫人になり、幸せな毎日を過ごす明子。
そんな明子こそ、まことの「鬼」だと私は言いたい。
(田幸和歌子)
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2006年12月18日 00時00分

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