電車の中でものを食べるという行為、の件
電車内の迷惑行為の最新アンケート結果では、「座席の座り方」が1位に
数年前から電車の中で化粧をする若い女性が増えた。羞恥心の欠如とかマナー違反などと言われているが、ここにきて最近目につくようになったのが電車の中でものを食べる人たち。

さすがに、乗車率150%超えなどの超満員の中を立ってまで食べている人にはまだお目にかかってはいないが、先日、つり革につかまりながら化粧をしている人を見たので、そのうち満員電車の中でも立ちながら飲食をする人が出てきてもおかしくないかもしれない。

個人的には、電車の中での化粧はなかなか面白いのでついつい見入ってしまうのだが、あまりじっと見ているとすごい勢いでにらみ返されたりして、こちらがドギマギしてしまう。
ところで、こういった行為は一般的には迷惑行為とかマナー違反といわれる。
化粧をしていても他人には何ら迷惑をかけていないではないか、といった意見もあるが、その行為を見て不快と思う人がいればそれは不愉快な行為、マナー違反ということになるらしい。

全国71の鉄軌道事業者が加盟(2006年7月現在)している日本民営鉄道協会では、平成11年から鉄道を利用している人を対象に「駅や電車内で最近迷惑だと思う行為」についてのアンケート調査を行っている。
この調査はお客さんが不快、迷惑だと感じている行為を挙げてもらうことで、それらの行為をセーブして、お互い快適に鉄道を利用しましょう、と働きかけることに狙いがあるという。

これによると調査開始から第4回目の調査までで、迷惑行為の第1位は「携帯電話の使用」。その後、迷惑行為の第1位は「携帯電話の使用」から「座席の座り方」にその座を譲り渡している。

ちなみに最新のアンケート結果は以下の通り(回答総数約700名)。
1位…座席の座り方 12.9%
2位…携帯電話の使用 12.2%
3位…ヘッドホンステレオの音漏れ 11.3%
4位…乗降時のマナーについて 10.2%
5位…荷物の持ち方・置き方 9.6%
6位…電車内で騒ぐ 7.8%
7位…女性の化粧 6.9%
8位…所構わず電車の床に座る 4.7%
9位…車内等での飲食 4.5%
10位…環境美化に努めない人が多い 4.5%

日本民営鉄道協会によると、このアンケートは迷惑行為を選択肢から選ぶ方法とのこと。ちなみに迷惑行為のベスト10に「電車等での飲食」が加わったのは3年前からで、第4回調査では第10位、第5回調査では第9位、平成17年度(6回)第10位、そして最新の平成18年度で9位とほぼ安定(?)、というか定着した迷惑行為となっている。
しかし、これらの迷惑行為は、鉄道を利用する上での禁止行為とか罰則を伴う行為というわけではないので、逆にやっかいだ。


ところで、鉄道の飲食については鉄道会社としてどのように感じているのだろうか。
「リゾート列車とか車内販売をしているような電車の場合、ロマンスカーなどですね、これはもう、飲食はしていただいていいわけで、逆にしていただきたいと思っているわけです。でも通勤に使われるような短い路線では、時間帯などにもよると思うので難しいです。早朝などガラガラの電車の中で、周囲に人がいないところで腹ごしらえをするとかは別に構わないと思います。ただ、場合によっては不快と思われる方もいるということを理解していただいて、できるだけセーブしていただきたいですね」と日本民営鉄道協会の方。
一方、JR東日本に問い合わせをしてみると、「車内での飲食については特に決まっているものはないので。
車内での化粧については男性からはよく不快だというご意見をいただいていますが、飲食についてはまださほど意見はあがってきてはいないですね」とのこと。
また両者とも、食べ物で電車内が汚れて困るといった鉄道会社サイドからの話もまだないとのことだった。

でもこの間、実際に手についたハンバーガーのソースを座席にそっとスリスリしている人を見かけた。
本来注意すべきなのだろうけれど、これが結構言いづらい。
一般常識とかマナーとかは、ここまでがOKでここから先はNGと線引きするのは難しい。でも自分の行為が他人を不快にしていないかどうか、たまには考えることも必要ですね。

(こや)