列車内での大便・嘔吐で「罰金」になる?
車内での突然の体調不良、つらいですよね。
7月1日、JR神戸線の列車内に大便が落ちていて、ニオイが消えず、運休したというニュースが、話題になった。

これ、本人にとっては、体調が悪く、本当に辛い状況だったのだろうけど、「運休」「4千人に影響」とあっては、鉄道会社にとっても、やはり相当な痛手のはず。


でも、さすがに「運休」とまでいくケースはなくとも、電車の中で急におなかが痛くなったり、気分が悪くなること自体は、決して珍しいことではない。
自分も会社員時代、通勤時に腹痛や体調不良で各駅下車していたことがあるし、「過敏性腸症候群」などの人も多い。また、酔っぱらいに限らず、電車の中で嘔吐する人を見たことも、たびたびある。
たとえば、これがタクシーだったら、「車内で嘔吐すると、罰金をとられる」とかよく聞くけど、鉄道会社の場合、どうなのだろうか。
JR西日本に聞いてみた。

「今回のようなケースはきわめて異例ですが……体調が悪いなど、いろいろな事情がおありかと思いますので、そのことで罰金、賠償などということは、特に設けておりません」
と、広報担当者は言う。

大便はともかく、実際に、車内で嘔吐というようなケースは、やはり珍しくはないそうだが、
「こちらで処理しなければいけないですが、なんといっても、生理的なものですので。タクシー会社さんなどの取り決めは詳しく承知していませんが、電車においては、特に明らかな故意・悪意でない限り、いわゆる求償ということはしていないんです」

ちなみに、電車内で嘔吐してしまった場合などは、「駅についてから、別の場所に移動してもらったり、休憩してもらい、その間に、すみやかに清掃の手配をする」というのが、一般的な手順だそうだ。

体調が悪い人はともかく、ときには、酔っ払って大小垂れ流しなんて人も見ることあるけど……。こういう場合でも、やはり賠償請求はないのだろうか。
「事情にもよると思いますが……明らかに悪意があって、こちらが損害をこうむった場合、求償はともかく、個別にお話させていただく場合はありますね」

ところで、「タクシーの車内で吐いたら罰金」とよくいわれているのも、「迷惑料」「清掃料」の損害賠償ということで、タクシー会社によって、払う・払わないなど、差があるようだ。

いずれにしろ、体調が悪いときは、早めに休む、トイレに行くなどしたほうが賢明です。

(田幸和歌子)