身の回りで苦労を聞くのは、撮影機材を積んで移動するカメラマンの人たち。
タクシーの運転手さんたちにとっても、この問題は深刻なようで、約1000台のタクシーを運行しているタクシー会社で、すでに7台がキップをきられているそうだ。ある運転手さんがこんなことを言っていた。
「トイレに行きたくなるときがキツイですよ。公園とかの公衆便所のあるところの前にちょっととめて、用を足していると、大便のところ(個室)まできて、『タクシー運転手さんいますか?』って聞かれるんですから(苦笑)」
うかうかトイレにも行けない状況だ。
都心では、ラーメン屋の前にタクシーが何台も停車していて、そこがまたうまいラーメン屋だったりするのだが、こういったことも、やはりうかうかとできない。
それで、どうしているのか聞いてみると、
「仕方なくファミレスに行ったこともありますよ。でも、トイレ借りるために、コーヒー頼んで400円ぐらい。バカにならないですよ」
都心では駐車場があるコンビニはあまりないので、仕方ないのだとか。
ただ、そんなタクシー運転手さんたちにも「憩いの場」がひとつだけあるという。青山霊園まわりの、タクシー専用の休憩所だ。
「別に飲み物があるわけでもなく、単に車をとめておけるだけなんですけどね。ただ、120台ぐらいまでしかとめられないので、競争率が高いんですよ」
もっとも、車中にドライバーがいれば、「路上駐車」にあたらないため、車を停車させてシートを倒して休憩をとったりするのはOKなのだとも言っていた。
ほんのちょっと休むにも、大変な時代だ。
(田幸和歌子)