
実はこれ、私自身も気になっていたこと。
新幹線に乗ったとき、手を洗ったついでに水を飲もうとする小1のムスメに「この水は飲んじゃダメ! 書いてあるでしょ!」と説明しつつ、「え? 汚い水なの?」と聞かれると、「汚くはないけど、飲める水ではないんだよ」と、なんとなく曖昧な答えになってしまったことがあるのだ。
このように、「飲料水としてはご利用いただけません」のような注意書きがある手洗い場は、公共施設などにもときどきあるが、手を洗えるけど、飲めない水って……。ちょっと外国のようではないですか。
当然、「飲料水には適していない水」なのだろうけど、具体的にはどんな水なの?
JR東日本のお客さま相談室に問い合わせた。
「新幹線の水は、もちろん汚いわけではありませんが、飲料水には適していない水ということです。具体的には、飲料水は体内に入るものなので、いろいろ殺菌してあるとかしてないとかの問題がありますが、手洗いになら、体内に入るわけではないので、大きな問題がないということです」
と担当者は言う。
どんなシステムになっているかというと、
「新幹線が通る駅の終点などで、補充するシステムになっていまして、一部、リサイクルした水などを手洗い場などに利用するケースもあります。リサイクルといっても、手を洗う分には問題はないんです」
とのこと。
今は「水道水は飲めない」という人や、その一方で「水道水のほうが安心」という人がいたりと、水に対する認識も、個人によってまちまち。
「飲めません」といわれると、一瞬ギョッとしてしまうけれど、水不足の国も多い現代では、「飲めないけど手洗いには使える」ぐらいの水の再利用は、大切なことなのかもしれません。
(田幸和歌子)