請求書は締め切りが過ぎたら支払ってもらえない?
締め切り期限は守りましょう。
たとえば自営業など、請求書を送ってそれに対して支払いをしてもらう職業の場合、大変重要なことでありながら、意外と頭痛の種になるのが「請求書の発行」だ。

「請求書をつくるのも仕事の一つ。
期限内に送るのは常識」というのは、もちろん当然。
だが、仕事が立て込んでいる時期など、ごくわずかなギャラのために、かなり面倒くさい経費の精算をしなければいけないときなどは、ちょっぴり泣けてくる。
私事で恐縮だが、自宅で電話取材をさせられまくったうえ、後日、電話料金明細書の該当箇所1件1件にマーカーでチェックをし、経費を請求しなければいけなかったときは、「いっそ精算しなくても、タダ働きでもいい!!」という気にもなった。

また、カメラマンと2人分の取材費(航空券・宿泊代など)15万円程を立て替えさせられ、担当者が経費の精算について何も教えてくれなかったため、半年以上もずっと放置されていたというマヌケで悲しい過去もある。
このとき、「決算が過ぎているので、支払いは難しい」などと仰天の対応をされ、なんとか後日支払いはしてもらえたものの、すっかり恐怖が刷り込まれてしまった。

状況は異なるものの、今も「○月末までに請求書をお送りください。
過ぎてしまうとお支払いできない可能性があります!」などと仕事相手に言われることがよくあるのだが、これって本当に払ってもらえないもの? ある弁護士に聞いてみると……。
「実際に仕事をしたわけだから、代金支払いに関しては、請求書の送付期限を過ぎても、法律的には払ってもらえます。ただし、事実上の問題として、相手は企業であるから、会計にまわして、会計が振り込むことになりますよね。会計には当然、会計月度、年度などの締め日があるので、締め日以前に送ることは大原則です。過ぎてしまうと、煩雑になり、支払うのが相当困難になりますから」

法律的には「支払ってもらえる」が、事実上の問題は別とのことだった。これは経費精算なども同様だそうで、
「たとえば、送付期限をこえて請求すると、円滑な受発注ができなくなり、トラブルのモトにはなりますよね。
今後の付き合いを考えると、泣き寝入りすることは多いかと思います」
確かに、会計担当者の立場からすると、期限を守ってもらえないと困るのは当然のことだけど……。でも、モメたことで仕事を失うくらいなら、と思う人は多いのかもしれない。

ちなみに、アテにならないのは「(次の仕事のとき)色つけときます」という言葉。
発注され、途中まで作業をしていて途中でポシャった案件などに関しては、実質タダ働きになるため、たいていこの言葉が使われるけど……。具体性が何もないだけに、十中八九泣き寝入りです。ご注意を。

(田幸和歌子)