膝枕で耳かきをしてもらうと、イイですよね。ほんわかするというか、癒やされるというか、愛を感じるというか。

じゃあ、これやってもらった事はありますか？　「膝枕で歯磨き」。私はないなぁ。した事もされた事もない。口を「ア～ッ」と開けた姿を見られるのがイヤな人もいるだろうし。

でも相手が歯医者さんなら、大丈夫でしょう？　そこで今、こんなサービスが話題になっています。審美歯科医院デンタルビューティーサロン（東京都港区六本木）は、6月より「執事によるハミガキ～ぷれみあむデンタルクリーニング～」（税別9800円）を実施しているらしく。


といっても、ただ歯磨きするだけじゃない。ここ、開院した5年前より院長さんが執事の格好をしているんです。名付けて「執事歯科医」。
「都会の生活で疲れた方々の癒しの場でありたいという考えから、『アジアンリゾートにあるリゾートホテルのような歯科』をコンセプトに営業しております。『リゾートホテルのコンセルジュ・執事のように歯に関するわがままなお申し付けも可能な限り聞いていきたい』という考えを表し、執事の格好で接客するようになりました」（増岡院長）
厳密に言うと接客時は執事服だが、施術・診療時はその上に白衣を羽織り、衛生面から区別を付けているらしい。

……が、この歯磨きサービスは執事の格好で行ってくれるとのこと。

「今までもクリーニングメニューはありました。しかし歯科医院で歯をクリーニングする習慣が日本では根付いていないため、反応はあまり良くありませんでした。しかし定期的に歯のクリーニングをすることこそ、虫歯・歯周病による歯の損失、高額な治療費の支払いを防ぐ唯一の方法なのです。そこであえて話題にしていただくため、賛否両論を呼ぶ極端なメニューにしました。開院当初より“執事歯科”として営業しているので、実にウチらしいメニューになったと思います」（増岡院長）
とは言いつつ「膝枕でハミガキしてくれる執事歯科が欲しい」という要望もあったらしい。なるほど、ニーズに応えてのサービス開始でもあるのだな？

ではクリーニングの手順について、ご説明しましょう。
かなり、念入りです。
・1.歯垢染め出し、検査
・2.歯石取り（全歯スケーリング）
・3.消毒薬によるハミガキ
・4.カルシウム補給ハミガキ粉による表面磨き
・5.執事ひざまくらハミガキ（オプション）
「歯の汚れ状況にもよりますが、トータルで60分くらいになるかと思います」（増岡院長）

ここまでやれば、歯に良いに決っている。サービスを定期的に受けることで細菌感染による虫歯・歯周病をかなり減少させることが可能、歯を失うリスクは90パーセント下がるそうです。また通常のハミガキでは落としきれない汚れ（茶渋・ヤニなど）が落ち、歯が白くなる効果も。それらに伴い、口臭の改善も見込めるらしいですよ（消化器由来のものは除く）。
「さらに、精神的に癒し効果が期待できます」（増岡院長）
でしょうねえ！　ソレ狙いで来院する患者さんも多いだろうに。


ちなみに気になる、9800円（税別）という料金について。「たかが歯磨きで、そんなに!?」と思わないでもなくてですね……。
「保険診療の歯石取りは1回1500～2000円でして、数回通うことになります。その金額は窓口負担なので、実際にはその3倍くらいかかっている計算になります。当院ではこれをドクター自らが1回で丁寧に施術しますので、かなりお得だと思います。無料オプション“執事のひざまくらハミガキ”が付いておりますが、それを除いてもかなりお得になっています（笑）」（増岡院長）

派手さとクリーニング効果を兼ね備えた新サービス、もしかしたら寂しさも解消してくれるでしょうなぁ……！
（寺西ジャジューカ）