暑い毎日、冷たいものばかり食べてませんか。
こう暑いと、自分などは、コクのあるデザートなどをなかなか受け付けず、ツルッ&ヒヤッとしたものに走りがち。
春先まではいとおしかったプリンが、今は不思議とそれほどでもなく、かわりに、透明でツルツルヒンヤリのゼリーやアイスに心変わりしている。
季節とともに移ろいゆく欲望。デザートは、実はそんな移りげな人々の欲求に、振り回される運命にあるのではないか。
そんな折、デザートの売れ行きと気温の変化について、日本ミルクコミュニティ株式会社を直撃した。
「猛暑になる直前、6~7月に伸びるものは、ゼリーで、さらにその前、3~5月にピークを迎えるのはプリンなんですよ」
と、マーケティング部の担当者。
やはり季節とともに移り変わっているわけだが……。
「ただし、ゼリーも、氷菓も、近年は売れ行きの伸びが前倒しになっている傾向があります。やはり温暖化のためが一つ。また、流通チャネルも定番の品ぞろえに加え、お客さまに早く見せるという意味から、販促的にも前倒しになっているんですよ」
また、売り上げのボリュームは、プリンの半分くらいの規模というゼリー。年間の売上の25%弱を6~7月が占めるのだともいう。
まさに「季節労働者」なわけだが、気温の高い夏には動きがよくなるそうで、なかでも気温が高くなると売れるものは……。
「コーヒー系よりフルーツ系の伸びが高くなります。
その一方で、プリンは3~5月がピークとはいえ、冬になるとカスタードプリンなどコクのあるもの、がよく出るという。
いっぽうで、季節の影響を受けにくいのは、やはりヨーグルト。
「特にプレーンは季節偏差をあまり感じないカテゴリーです。果肉系は気温が上がっていくと、さっぱりしたいということで夏に上昇する傾向はありますが」
また、デザート業界全体の傾向として、近年見られるのは、「ベーシックなもの」への回帰、「健康志向」などの付加価値が求められているそうだ。
「2年ぐらい前にピークを迎えた、杏仁豆腐、マンゴープリンなどの中華デザートが、やや低迷して、新しいものよりベーシックなものに戻ってきています。食品の偽装問題などで、安全・安心なものに回帰しようという影響かもしれません」
「甘いものは別腹」などというように、美味しければ良い人が多いのかと思うと、
「今では美味しいのが当たり前。美味しくてさらにゼロカロリーなど、付加価値を求める傾向があります」
気温に振り回され、体の欲求や流行・時代の流れに振り回されるデザートの嗜好。
そんな様々なワガママを包み込んでくれる存在が、デザートなのかもしれません。
(田幸和歌子)
こう暑いと、自分などは、コクのあるデザートなどをなかなか受け付けず、ツルッ&ヒヤッとしたものに走りがち。
春先まではいとおしかったプリンが、今は不思議とそれほどでもなく、かわりに、透明でツルツルヒンヤリのゼリーやアイスに心変わりしている。
季節とともに移ろいゆく欲望。デザートは、実はそんな移りげな人々の欲求に、振り回される運命にあるのではないか。
そんな折、デザートの売れ行きと気温の変化について、日本ミルクコミュニティ株式会社を直撃した。
「猛暑になる直前、6~7月に伸びるものは、ゼリーで、さらにその前、3~5月にピークを迎えるのはプリンなんですよ」
と、マーケティング部の担当者。
やはり季節とともに移り変わっているわけだが……。
「ただし、ゼリーも、氷菓も、近年は売れ行きの伸びが前倒しになっている傾向があります。やはり温暖化のためが一つ。また、流通チャネルも定番の品ぞろえに加え、お客さまに早く見せるという意味から、販促的にも前倒しになっているんですよ」
また、売り上げのボリュームは、プリンの半分くらいの規模というゼリー。年間の売上の25%弱を6~7月が占めるのだともいう。
まさに「季節労働者」なわけだが、気温の高い夏には動きがよくなるそうで、なかでも気温が高くなると売れるものは……。
「コーヒー系よりフルーツ系の伸びが高くなります。
ただ、ゼリーそのものの需要が若年層に多いので、酸味の強いものより、ぶどう、桃などが高い伸びを示しています」
その一方で、プリンは3~5月がピークとはいえ、冬になるとカスタードプリンなどコクのあるもの、がよく出るという。
いっぽうで、季節の影響を受けにくいのは、やはりヨーグルト。
「特にプレーンは季節偏差をあまり感じないカテゴリーです。果肉系は気温が上がっていくと、さっぱりしたいということで夏に上昇する傾向はありますが」
また、デザート業界全体の傾向として、近年見られるのは、「ベーシックなもの」への回帰、「健康志向」などの付加価値が求められているそうだ。
「2年ぐらい前にピークを迎えた、杏仁豆腐、マンゴープリンなどの中華デザートが、やや低迷して、新しいものよりベーシックなものに戻ってきています。食品の偽装問題などで、安全・安心なものに回帰しようという影響かもしれません」
「甘いものは別腹」などというように、美味しければ良い人が多いのかと思うと、
「今では美味しいのが当たり前。美味しくてさらにゼロカロリーなど、付加価値を求める傾向があります」
気温に振り回され、体の欲求や流行・時代の流れに振り回されるデザートの嗜好。
そんな様々なワガママを包み込んでくれる存在が、デザートなのかもしれません。
(田幸和歌子)
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