成績の良い生徒には「賞金あげちゃいます!」なるプログラムを導入し始めたシカゴ市内の公立高校。現時点で参加校20校1650人の生徒がこの賞金を手にしている。


退学せずに学校に通い続けてもらうために、勉学へのモチベーションとして「小切手」を使用したようだ。個人からの寄付金とハーバード大学教育研究所からの資金供給からなるもので、「我々はあなた方に投資しているのです」と銘打ってのプログラムだ。

英語、数学を含むコアとなる5教科が対象で、5週間ごとにAだったら50ドル(5000円)、Bだったら35ドル(3500円)、Cでも20ドル(2000円)が賞金となるという。

米国での成績は、たいてい「ABCDF」というアルファベットで表記され、A=100点~94点、B=93点~87点、C=86点~77点、D=76点~70点、そしてFailを示すといわれるFの69点以下となっている。
こちらでは、中学校でも学期末の通知表を待つことなくウェブサイトで各自、各教科の現時点の成績を確認することができるというシステムがある(教科ごとにパスワードがあり、自分のIDを入力すると今までの小テストから宿題から、ずら~っとリストになっているのをチェックできる)。

一生懸命勉強すれば「小切手の金額も上がる」というのは生徒たちにとってのモチベーションは高いだろう。
バイトなんかせずに勉強していればいいのだ。5週間でオール5なんて取ったら250ドル(25000円)だ。

とはいうものの、全額を丸々もらえるというわけではなく、半分のみが前払いという形で支払われ、「高校卒業」というプログラムの意味もあり、残り半分は卒業時までお預け、というシステムのようだ。

このせいか、成績が上がり出席率も上がっているというシカゴの公立高校。
賞金を手に入れ「買い物に行くのが楽しみ」という生徒が多いと思う。親に「通信簿上がったからお小遣いもっと上げて」というのに似ているような気もしなくはないが、他人からもらえる、というのは大違いだ。

小切手を賞金とするよりも、大学資金という形にした方がいいと思うのは、素人的な考えなのだろうか?
(シカゴ/あらた)