今回はニコン製の機材を使用した。35~123mmズーム(35mmフィルム換算)のコンデジ、上位モデルのフィールドスコープ「ED82」、両者の間に装着する専用接眼レンズ「30×ワイドDS」、カメラを装着するためのレリーズ付きブラケット「FSB-6」。そして、三脚だ。この組み合わせで、広角側で1050mm、望遠側だとなんと3690mmの撮影が可能だという。同社は機材のポイントについて、「三脚選びが重要。超望遠撮影になるととてもブレやすくなるので、がっちりしてフィールドスコープの重心の移動ができる雲台の付いたビデオ用三脚がお勧めです」という。
では、さっそく撮影。雲台を少しずつ動かしカメラの液晶モニターで確認しながら被写体を捉え、フィールドスコープのピントリングでピントを合わせる。コンデジのオートフォーカスはその後の微妙なピント合わせに有効だ。いつものようにコンデジだけの望遠側で撮影してみたのが写真1。中央のカモの置物を狙っているのだが小さくしか写らない。
そもそも、どうしてこのようなシステムが生み出されたのか。野鳥のように警戒心が強く容易に近づけない被写体を撮るには超望遠レンズが必要。しかし、たとえば一眼レフ用の500mm望遠レンズになると重くて大きいうえに100万円以上の値段になってしまう。そこで、フィールドスコープ本体が4~15万円、その他専用機材を含めても10~20万円以下で収まり、軽量でコンデジでも手軽に撮影できる「デジスコ」が重宝なわけだ。
芸術の秋、デジスコを使って今まで経験したことのない超望遠撮影で作品づくりに挑戦してみるのもおもしろいだろう。
(羽石竜示)