CDショップでのジャンル分けはどのように行われているのだろう?

先日、ジェームス・ブラウンのCDが見つからず、CDショップを右往左往してしまった。目当ての作品は「R&B」欄にきちんと陳列されていたのだが、JBは「SOUL」か「FUNK」だと思っている私に、それを見つけることができなかったのである。


ということもあり、CDショップでのジャンル分けというのはどのように行われているのか気になった。レコード会社の指示なのだろうか? それともCDショップ本部で決められるのだろうか?

大手CDショップ、タワーレコード株式会社の広報室に話を聞いてみると、
「タワーレコードでは、音楽のジャンルを書籍・アクセサリーなどを含め、約17のジャンルに分けております。これはタワーレコード独自のものです。本社部門がレコードメーカーからの注文書と、店頭での展開やその時々の流行などを考慮した上で決定します。しかし、実際に店頭に置く際には、全国78店舗それぞれの裁量により異なる場合もあります。理由としては、店舗の規模や在庫枚数などによりジャンル分けも異なってきますし、また、その店舗にいらっしゃる客層に合わせて、もっとも探しやすい、伝わりやすいと思われる展開や設置を各店舗判断で決定しているためです」とのこと。


本社が基本的なジャンル決めをするが、最終的に決めるのは各店舗ということらしい。では、大手以外のCDショップではどうだろう?

イトウミュージックシティ店長・山田一夫氏(全日本CDショップ店員組合 組合員)にお話を伺った。
「まず、レコード会社がジャンルについて指示を出してくるということはないですね。基本的に作品のジャンルを決めるのは各店舗です。大型チェーン店では本部からの指示もあるかもしれません。ですが、私個人としましては、現場にいる店員さんが決めた方がいいと思います」

やはり、ジャンル分けは店舗レベルでの行った方がよいとのこと。


「CDショップは、お客様にとってCDを探しやすい場でなければならないと考えています。例えば、専門的な音楽を探している人が多ければ、専門的なジャンル分けをしますし、メジャーレーベルから出されるものを求める人が多ければ、大きなくくりのジャンル分けのほうが便利でしょう。お店に来られるお客様がどのような人たちなのかというのを一番知っているのは、そこで働いている店員です。ですので、現場の店員が決めるのが一番なのではないでしょうか」と山田氏。

ということで、CDショップのジャンル分けは、「お店を訪れるお客がどのような人たちなのか」ということを意識して行われているようだ。

ちなみに、ミクスチャーやクロスオーバーといった、さまざまなジャンルが合わさったような音楽はどうしてるのか聞いてみた。


タワーレコード(株)の広報担当者はこう語る。
「例えばJ-POPアーティストのJazztronikですが、音楽ジャンルは『CLUB』にも当てはまるので、CLUBコーナーで展開する場合や、店舗ごとに違うコーナーに展開する場合もあり、最終的には各店の店長・バイヤーの判断によって決めています」とのこと。


ジャンル付けが難しい作品などは、店舗によって全く違う所に陳列されていることもあるという。目当ての作品が見当たらない場合、複数のジャンルをチェックするなどしたほうが良いということだろう。

とはいえ、どうしても作品が見つからない場合は、やっぱり店員さんに聞くのが一番早いのかもしれない。
(ドープたつま/studio woofoo)