いよいよスタートの5月21日が迫ってきた「裁判員制度」。とはいっても「一般の人が裁判するらしいけど……、無理じゃねー?」程度の認識にとどまっている方は、私を筆頭にまだまだいらっしゃるのでは?

そんな方におすすめなのが「裁判員ムービー」。
法務省や最高裁判所が積極的に制作している短編映画である。法務省では、3月25日から全国約5000カ所のレンタルビデオ店でこういったムービーの無料レンタルを始めていたりする。

というわけで今回は、無料でレンタルできるもの、ネットで無料視聴が可能なものに絞り、それらのムービーを一気に見てみました。疲れました!

――まずは、『裁判員制度 ―もしもあなたが選ばれたら―』(西村雅彦、加藤夏希、金子貴俊、中村雅俊ほか出演)

驚くのは監督兼出演・中村雅俊(裁判官役がどうにも皮肉すぎるタイミングだが……)、西村雅彦などなど、といったキャストの豪華さと、ドラマの作りこみの深さ。

西村雅彦演じる平凡なサラリーマンは、当初、裁判員制度に懐疑的で非協力的な態度をとっていた。しかし、制度に対する理解を深め、家族や同僚に支えられることで次第に使命感を持つようになっていく。そして裁判員としての役目を全うすることを通じて、壊れかけていた息子との絆を取り戻す……。ってかなりガッツリしたドラマだ! 飽きずに見ることができた!

――次はビッグコミック連載のサラリーマン漫画「総務部総務課山口六平太」のアニメ化。『総務部総務課山口六平太 裁判員プロジェクトはじめます!』

こちらはだいぶライトな感じ。六平太の説明を通じて、裁判員制度の概略をざーっと知ることができる。しかし、原作マンガの方を良く知らなかったのだが、六平太の髪型、分け目の処理はどうなってるんだ! 4分50秒あたりを見てもらうとわかるのだが、瞬時に右わけから左わけに変わるのだ。スネ夫の髪型の謎と同様、動きをつけることによって生じてしまう困難さが……。
あ、真面目にやります。

――『審理』(酒井法子、星野真里、田中圭ほか出演)

こちらもなかなか豪華なキャスティング。ごく普通の主婦を演じる酒井法子の目線で描かれているので、主婦の方にはわかりやすいかもしれない。事件のディテールがちゃんと作ってあるので、裁判員の一人として判断しながらも見ていける。

――『評議』(中村俊介、大河内奈々子、藤田弓子、小林稔持ほか出演)

三角関係のもつれから起こってしまった殺人未遂が裁判の対象となっている。恋愛が絡むので、他の作品よりもメロドラマ的な面白さがあって良い。裁判員の一人、「職を失い女房にも逃げられた」と言って、被告に同情を見せる酒井敏也の行く末が最も心配だ。

――『裁判員~選ばれ,そして見えてきたもの~』(村上弘明、床嶋佳子、前田愛、長門裕之ほか出演)

こちらは、村上弘明演じるエリートビジネスマンのもとに突然裁判所からの通知が送られてくるところから物語がスタート。なんせ重要なポストを任されたビジネスマンである上に、自分が統括するビッグプロジェクトが動き出したところなので、裁判員なんて無理! と当初は考えているが……という部分からの流れは、最初にみた『裁判員制度』と同様。最後は使命感を持ち、部下に任せた仕事がトラブルに直面しても、「自信を持て! 責任は俺がとる!」と電話で一喝。カッコイイ男の姿が描かれている。

以上。
一気に見てきたところ、自分にできるかますます不安に……。でも話の種にどれか一つ見ておくと良いかもしれませんよ! 個人的には『評議』が俗っぽくて好きでした!

加護亜依が「裁判員に選ばれた女性」役を演じるオーディオドラマ『私が裁判員に選ばれたっ!』も、4月15日からダウンロードが開始されたりと、ますます目が離せない裁判員関連。裁判員制度を舞台にすればドラマチックなストーリーもどんどん創り出せそうだし、「裁判員ドラマ」がゴールデンタイムを飾る日もそう遠くない気がする!
(スズキナオ)
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