「すざか巨大迷路攻略(わざわざ店)MAP」というものだ。
実は自分の出身地でもあるのだが、「え!? 須坂に巨大迷路ができたの?」と思って地図をチェックしたところ、どこにもそんなものは存在していない。
どういうことかというと、「まち全体が迷路」ということのよう。
ちなみに、MAP上にはなぜ「迷路」なのか、それほど迷いやすいまちだという説明などは一切ない。
MAPを作成したNPO法人NEXT須坂に問い合わせたところ、これが作られたのは3年ほど前。きっかけは……。
「もともと観光パンフレットやマップはいろいろありましたが、町中心だけか、インター付近からの大まかなものしかなく、全体を網羅した地図がほしいということで作りました」(NPO法人NEXT須坂 理事 小林晃さん)
そもそも最初は違う名前でつくったものの、地図を作成している途中で、「攻略マップ」に変えたの
という。なぜ?
「須坂は町全体が迷路みたいだと、昔から言われてるんですよ。『左曲がったら、とんでもないところに出ちゃった』みたいなことが地元の人間にもよくあるから、観光客にはさらにわかりにくいだろうということで、『迷路攻略MAP』にしたんです」
確かに、須坂の町は本当にわかりにくい。
いまでも大型連休なんかのときなど、地元の友人で集まってご飯を食べに行く途中、はぐれて迷子……なんてことも、ちょくちょくある。道に強い人すら「迷いそう」と言う。
このわかりにくさの理由に関しては、「駅から道が放射状に斜めになっていること、劇場通りなどのかつての中心地から駅が離れたところにポツンとできて、脈絡なく町が広がったこと」などがあるそうだが、「攻略方法」としては?
「MAP上の交差点の要所要所に『I.C.から○m』といった表示をしたり、ピンクで塗ってある道があります。このピンクも別に国道とかでもなんでもなく、『ここを通ればわかりやすい』という目安です」
ところで、須坂市には、ハッチくんの動物園があったり、豪商の館「田中本家」があったりと、観光客が集まるスポットはあるものの、「そこだけ見て、すぐ隣の小布施や長野などに通り過ぎてしまう人が多い」というのが、現状ではある。
「なんとか観光客がたくさん集まる場所から、市内回遊してもらいたいというのが、いちばんの目的です」
この迷路攻略MAPは、市内の観光施設やガソリンスタンド、コンビニエンスストアで入手できるほか、須坂市のウェブサイト(以下)でPDFがダウンロードできる。
最後に、「このMAP作成で大変だったこと」を理事長に伺うと……。
「この地図を自分でやってて、わからなくなって迷っちゃったこと(苦笑)」
高速代も安くなったことですし、ゴールデンウィークにでも、「迷い」に来ませんか?
(田幸和歌子)