指をポキポキできる人に昔から憧れていた。単純に強そうに見えるし、すごく男っぽい。
私も、機嫌が悪い時に、周囲にそのことを伝えたくて指の関節を曲げたり伸ばしたりしているのに、一向に鳴ってくれないので、他人から「ストレッチですか? いいですね」と、逆に褒められたり。知っていただきたい真意が全く伝わらないのだ。この甲斐性のなさが、情けない。

そんな時、代わりに指のポキポキ音を鳴らしてくれるグッズの情報が。それは株式会社メガハウスより発売された、その名も『指ポキ』。

どこにこのような商品のニーズがあるのだろうか……? 気になってしょうがないので、メーカーに商品の諸々についてお伺いしてみた。

まず、この商品の開発のキッカケは、なんなのだろう?
「残業してると、隣に座ってる同僚がボキボキボキと、惚れ惚れするほど、いい音で指を鳴らしました。他の同僚も加わってきて、ポキポキ音自慢大会がはじまりました。ひとしきり盛り上がった後、『指を鳴らしてしまうと、もう一度鳴るまでしばらく待たなければならないので、とてもじれったいよね』という話になり、指をポキポキし放題にできるグッズがあれば面白いのでは、と考えたのがキッカケです」
“ポキポキ音自慢大会”(笑)。想像するだけでコクがあるのだが、それを商品化してしまうところに、会社の勢いを感じる。

『指ポキ』の形状は、両手で拳を重ねて、ポキポキする形で握りやすいように作られたのだろうか?
「握りやすく作ってません(笑)。拳の中で鳴らせるには若干の慣れが必要となる、男気溢れる無骨なデザインにしました。
かつ、簡単だけど扱い方次第で音色が変わる奥の深い操作性を採用しています(超リアルポキポキサウンドシステム)。マスターすれば皆に自慢したくなる逸品です」
この開き直りっぷりが、まさに無骨。

扱い方次第で音色が変わるとのことだが、商品開発の際に苦労した点も、ズバリ“音色”。「テストにテストを重ねた自信作です!」と、メーカーも胸を張る。

また(株)メガハウスでは、20~50代の会社員男女を対象に、指のポキポキ鳴らしに関してのキメの細かいアンケートを実施。
「あなたは指をポキポキしますか?」という質問に対し、「します」という答えた方は全体の52%。

「じゃあ、どんな時にポキポキしちゃってるんですか?」という質問に対しては、「なんとなく、暇な時」が46%で第1位。「疲れた時 ストレス解消」が37%で第2位。ちなみにケンカの前にする人はゼロ。
「ケンカの時そんなポキポキする余裕ないよ」(男性T.Y)
「というか現実はケンカしないし……」(女性Y.I)
と、冷静な回答が。そりゃそうだな。

「“ポキッ”という音がいいんですよね? 好きですか?」という問いに対しては、ポキポキする人のうち、「好き」が80%。
しない人でも50%、全体では67%が好き、という結果に。あの音は、なかなか人気があるのだ。
では、ポキポキしない人は、どうしてしないのだろう? それについては、第1位が「体に悪そうだから」で48%。第2位は「鳴らないから」で38%。

そこで、メーカーでは指をポキポキ鳴らす行動に関して医学的にも迫った。長浜施療院の高山清司院長に、指ポキ音についてお聞きするという、ムダに!? 念の入れよう。

「どうして音が鳴るのですか?」と院長にお聞きしており、「ポキポキと音が鳴るメカニズムは、急激に関節を曲げることによって、関節内にキャビテーションと言われる気泡が生じます。その気泡が瞬時に消滅して、衝撃波を起こす振動が『ポキッ』という音になっていると考えられています。また、一度関節を鳴らすと、関節が柔らかく伸びているので、キャビテーションは発生しません。そのためしばらくの間、ポキポキ音は鳴らなくなります」と、不必要なほどにシリアスなご回答。

また、「指への影響は?」との質問に対しては、「衝撃波はとても強いので、関節は傷を受けます。その傷を治した所が徐々に厚くなり、関節が太くなると考えられますので、関節を無理に鳴らすことはあまりお勧めできません」と、これまた誠意ある解説で、関係のない私でさえ申し訳なく思う。


この『指ポキ』は5月中旬より、全国の玩具店で発売。また、5月2日より一部の店舗で先行発売を行うとのこと。(株)メガハウスのウェブサイトで告知されるので、興味をお持ちの方はチェックしてみるといい。
種類はコールブラック、ブラッドレッド、ボーンホワイトの全3色で、価格は500円(税込み)。ワンコインで買える、電池不要のコミュニケーション玩具なのだ。

指ポキ音で男気を見せつけたい人、ストレス解消したい人、暇を持て余している人がコレを入手したら、何かいいことがあるかもしれない。
(寺西ジャジューカ)