「双眼鏡デジカメ」って聞いたことありますか。文字通り、双眼鏡がデジカメと一体化した製品で、コンパクトながら、超望遠撮影ができるというものだ。
今回はその製品の紹介ではなく、ふつうに誰もが持っているような双眼鏡とコンパクトデジカメをなんとか合体させて、撮影してみようと思う。

以前、『コンデジで3000mm以上の超望遠写真を撮ってみた』で紹介したように、コンパクトデジカメにフィールドスコープを取り付けて撮影すると、一眼レフカメラ顔負けの超望遠撮影ができたわけだ。
なぜかというと、フィールドスコープは望遠鏡なのであり、カメラが望遠鏡を通して撮影すれば、当然のようにカメラの望遠倍率は上がる。

ということは、双眼鏡でやっても同じこと。こちらのほうが、手軽だし、お安く超望遠撮影ができるメリットがある。だが、問題は取り付け方だ。
通常、三脚を使ってカメラを固定し、レンズに手持ちで双眼鏡をくっつけながら撮影するのが一般的なやり方であろう。
しかし、レンズと双眼鏡の接点が不安定で、画像がズレてしまいがち。また、ふつうの三脚を使うと当たり前のことだが、機動力に欠ける。

この両方の問題点を解決する方法はないか。コネタ記事『タコのように巻きつく三脚「最強モデル」を使ってみた』で取り上げたゴリラポッドを組み合わせたらどうかと閃いた。
まず、カメラとゴリラポッドの間に自由雲台を取り付ける。
つぎに、ゴリラポッドをレンズ方向に90度傾ける。そして、双眼鏡をレンズに合わせた状態で、ゴリラポッドの2本の足で双眼鏡に巻きつけることで、見事に固定できた。
ゴリラポッドの余った1本の足は、撮影のときの手持ちグリップとして使用できる。まるで、絵に描いたようにうまくいってしまった。

早速、屋外で撮影してみた。手持ちで超望遠撮影なので、手ブレしやすいのは覚悟のうえで、おもいきってシャッターを押す。

やはり、なかなかピントを合わせるのが難しいので、カメラのレンズをやや広角側にして撮影すると倍率は落ちるものの、ピントは合わせやすくなる。

手持ち撮影ならではの機動力とスリリングなピント合わせはとても楽しかった。出来上がった写真を見ると、しっかり望遠撮影できたことが一目瞭然。
双眼鏡、コンパクトデジカメ、ゴリラポッドの3アイテムを揃えて、超望遠撮影の醍醐味を是非味わってもらいたい。
(羽石竜示)