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先日「ワードバスケット名人戦」という、いわばしりとり日本一を決める大会が開催されました。大会はどんなもので、どんな人が日本一に輝いたのでしょうか?
「ワードバスケット」名人戦とは?
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カードゲーム「ワードバスケット」はしりとりがベースのゲーム。難しいルールは特になく、カード運や戦略などが加わったことで、より深く楽しめるようになっています。
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スタッフの方に今回の名人戦の開催経緯を聞きました。楽しみ方がさまざまなのがこのワードバスケット。友達や家族で気軽にワイワイ遊ぶのが通常ですが、「競技カルタのようなガチ勝負も面白いのでは?」と提案があり、昨年初めて名人戦を開催。1回きりでなく定期的に行いたいと考え、今回無事2度目の名人戦開催となったとのこと。
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ところで、実はメインスタッフのyas-oさんこそが前回の優勝者であり、現在名人位をもつ人物。
初対面の人と遊ぶ、しりとりは楽しい!
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大会に集まってくる約50名のしりとりファンたちは、性別も、年代も(下は学生から上は筆者の両親くらいの方まで)さまざまです。
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スタート前には開会式が行われ、「ワードバスケット」の考案者・小林俊雄さんのご挨拶がありました。たくさんプレイする人がいてうれしいという言葉に続き、他言語版の話に。日本語だからこそしりとりは面白く、他言語も欲しいという打診はあるがいろいろ難しいとのこと。
というわけで「他言語版がない今、本大会は実は日本一でなく“世界一決定戦”です!」との宣言に会場が湧きましたよ。
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予選はまず抽選で組み分けをし、4人の中で先に2勝した順に応じ得点が付与。
改めて「ワードバスケット」のルールですが、配られた文字カードを出し切った人が勝者。やりかたはシンプルで“場に出たカードの文字で始まり、手持ちのカードの文字で終わる”言葉をとにかく早い者勝ちで出す、という流れ。連続して同じ人が出し続けることも、しりとりが成立していれば問題なし。
「し」が場で、手持ちが「え」「か」「き」なら、「ジビエ」→「演歌」→「岩石」(濁音などの付け替えは自由です)と連続して出せれば勝利!
……理屈はわかっても瞬時には言葉が浮かばないうえに、実際は他のプレイヤーが「エキサイト」と出して場の文字が変わるなど(今度は「と」で始まる言葉でないといけない)、さまざまな思惑が交差しなかなか理想通りになりませんよ!
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予選から筆者も参戦しましたが、初めて会う人とのしりとりはとても楽しい!
一番びっくりしたのは、カワイイ女の子と対戦した際にテレビだと「ピー」が入るような単語(きゃっ!)もサラリと発していたこと。友達と遊ぶ際は、大体趣味嗜好から推測できる言葉が出やすい中で新鮮に感じました。
大会のために語彙を磨いている人もいました。例えば『運否天賦(うんぷてんぷ)』という四字熟語がそのひとつ。通常なかなか使うことがないワードですが、これを“うで始まって、ふで終わる言葉”として覚えてしまったんだとか。
感想戦も盛り上がります。素晴らしい試合の後に“ひで始まって、もで終わる言葉”があるか?という話になり、敵味方関係なくあれこれ討議。近隣のテーブルの人も一緒に考える流れに。
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さて予選前半を終え、筆者は5試合全て2位という謎の状態。1位になった人たちはさすがに猛者が多く苦戦しましたが、後半は成績が近い人同士の対戦で運に恵まれ、決勝トーナメント進出が決定!
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決勝トーナメントで繰り広げられた、超高速のしりとり!
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命がけとも言える戦いを超えてきた者同士が1対1で戦う決勝トーナメントは、試合を終えた人も見学しているため、若干緊張します。
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すごかったのが筆者の対戦相手の西山さんでした。大体のゲームルールはYoutubeで知っていたものの、実際にワードバスケットをプレイするのは今日が人生初とのこと! とんでもないお方!
戦いは当初から先手を取られ焦る筆者でしたが、最後になんとか勝ち越し。しかし、次の準々決勝でおひでんぽさんに完敗。
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出すスピードがとにかく早いうえに、「風車」→「ヤード・ポンド」(単位)→「登場」→「ウォーレン委員会」(ケネディ暗殺の調査)など、硬軟入り混じった単語を連発。次から次に出てくる言葉の攻撃に、筆者は手も足も出ず。
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スピードは準決勝・決勝と進むにつれ増していき、戦いはさらにエキサイト。特に決勝戦は見ているだけでもドキドキで、Rosaさんが「シール」→「ルンビニ」(地名)→「人情」→「運気」と4枚を続けて出し一気にリーチ。
ちょっと止まったすきに対戦相手の尾岸さんもすかさず2枚出しますが、「わ」で終わる言葉が出た瞬間に、このゲーム名である「ワードバスケット」であがり、会場は拍手喝采!
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いよいよ最後は優勝者・Rosaさんと、現在の名人・yas-oさんによる、名人の座をかけた戦い。
次の手で「ら」が場に出た途端、Rosaさんが「ライン川」→「渡りに船」→「年魚」→「様子」と一気に畳みかけ、yas-oさんもすぐ「涼み」で反撃!
決まったかと思われた次の瞬間……、Rosaさんが「民衆」を出して勝ち。ちなみに試合時間は、なんとわずか5秒弱!
空前絶後のしりとりバトルでしたが、最後は「本場」→「花見」→「ミニモニ。」に対し、「入手」を先に出したRosaさんが勝利を決めて、ここに新たなしりとり名人が誕生しました。
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戦いを終えた勝者に改めてインタビューを実施。新名人のRosaさんがワードバスケットをするようになったのは約5年前からで、普段友達ともよくプレイしているとのこと。特別な必勝法があるわけではなく、たくさんプレイすることが強くなるコツなのかなと感じました。
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対する敗れたyas-oさんも彼女が勝つと思っていたとのこと。同時にスタッフとしては、なるべく毎年開催を目標にすることに加え、試合に強い人でなくても楽しめるよう別のタイトル戦なども検討中だそうで、間口が広くカジュアルなイベントにしたいとの話も出ました。
楽しく熱いワードバスケット名人戦に参加し、多くのファンに愛されるゲームの魅力に触れたことで、しりとりの新たな一面を見た気がします。すごくしりとりをしたくなりました。たとえば、この記事のように文章の冒頭から全部しりとりで書き続けたりすると、楽しいのかもしれません!?
(高柳優/イベニア)