展示されている重機と公式サポーターのANZEN漫才
東京・お台場の日本科学未来館で企画展「工事中!」が開催中です(2019年5月19日まで)。
「~立ち入り禁止!?重機の現場~」というサブタイトルの通り、普段入れない工事現場の裏側を見れちゃいます。
巨大な重機の数々
入口にダンプ用の巨大ホイールが展示
世界を拓く重機たちのエリア
四脚クローラ方式双腕型コンセプトマシン(日立建機)
Cat (R)910M ホイールローダ(キャタピラー)
各重機の前には説明文だけでなく、かわいいイラストも掲載。何をする重機なのか一目でわかり、愛着も湧いてきます。
大地をひらく重機の次は街や建物をつくる重機のゾーン。複数の油圧ショベルが並びます。
油圧ショベル ユンボ Y-35(キャタピラー)
巨大な油圧ショベル
その先のクレーンの展示では運転室が丸ごと登場。操作はできませんが、なんと中に入れちゃうんです!
大型クレーン
普段は近寄ることすらできない運転席に入れる! 操作は全くわかりませんでしたが、レバーを握ってみるだけでワクワクしました。
間近で見るクレーンの運転室
クレーンの運転室内でレバーを握る
また展示終盤にも体験コーナーがあり、油圧ショベルやホイールローダの中にも入れちゃいます。
体験コーナー
油圧ショベル
油圧ショベルの運転室内でレバーを握る
工事に活用されている、最新技術の数々
また企画展「工事中!」では、重機以外にも、工事に使われている科学や最新技術についても知ることができます。
滑車での持ち上げを体感
例えばクレーンの隣には3種類の滑車を展示。同じ重りなのに、滑車が違うと持ち上げるのに必要な力が全然違うことを体感できます。
圧力についての説明
同様に油圧ショベルの隣には圧力についての説明があります。軽い力で重いものを動かすことには、人類の科学の発達が大きく関わっているんですね。
鉄筋コンクリートの説明
コンクリートの材料
建築材に関するコーナーでは、鉄筋コンクリートの構造やその材料なども見ることができます。
未来の工事のロボット
さらに未来の工事のゾーンでは、水中や地下など人が行けない場所で工事を行うための遠隔操作や、自律型ロボット、ウェアラブル端末といった、最先端の技術も展示されていました。
建設だけじゃなく、解体するのも工事なんです!
解体のゾーン
今回筆者が一番感動したのは、解体のゾーン。
成熟都市の日本においては、建築して終わりでなく造り替える新陳代謝が必要。そこで解体が重要となります。昔は一気に爆破ができましたが、今は周囲に人が生活する中で「気づかない間につくり変える」のが大事なんだとか。
防音パネル
例えば防音パネルもその工夫のひとつ。工事の音や揺れを抑え、周囲に支障がないようにします。
巨大なアタッチメント
そして巨大なハサミがズラリ。実はこれ、油圧ショベルの先端につける解体用アタッチメントと呼ばれるもの。「建設」するための重機が、部品を付け替えると今度は「解体」の用途になるという点がまず面白い!
アタッチメントの説明
さらに解体する対象によって種類もいろいろ!
さまざまなアタッチメント
例えば解体するには工事や建物によって異なりますが、まずは鉄筋コンクリートを粉砕。続いて鉄骨部分を切断。さらにはそれらを収集……といった手順があります。これらの用途に応じアタッチメントが付け替えられます。
刃の部分など全然違うんですね。
鉄筋コンクリートを丸ごと破壊できるアタッチメント
鉄骨を切断するアタッチメント
また、切断した鉄筋を回収するのに便利な、マグネットを備えたアタッチメントもあります。
マグネットを備えたアタッチメント(右)
なんと丁寧な仕組み! ちょうど出展した企業の方がいて、その説明につい惹き込まれました。ちなみにこの会場の展示ゾーンを解体するには、大体一週間あればOKなんだそう。以上、見所満載の展示でした。
ちなみに、会場は装飾すらも工事中一色。
会場の装飾
会場の装飾
おみやげもいろいろあり、「工事中!」ならぬ「調理中!」のレトルトカレーやTシャツ、お菓子、クリアファイルなどが販売されています。
カレー調理中!(税込648円)
Tシャツは大人用4,104円、子供用3,024円(税込)
同展を監修した京都大学大学院工学研究科の高橋良和教授の話では「目立たないほどよい土木」という言葉もあるそうです。それだけ土木や工事は気づかぬうちに、私たちの生活に密着しています。しかし、その中には様々な技術や人々の創意工夫が潜んでいたことを改めて実感する展示でした。
企画展「工事中!」 ~立ち入り禁止!?重機の現場~
◎会期:開催中~5月19日(日) 午前10時~午後5時
(入場は閉館30分前まで。原則火曜休館 ※3月26日、4月2日・30日は開館)
◎会場:日本科学未来館 1F 企画展示ゾーン
東京都江東区青海2-3-6
◎観覧料:大人(19歳以上)1,600円ほか
(高柳優/イベニア)
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