夏休みまっただ中。
暇を持て余した子どもたちから「オレは○日まで夏休みだけど、いとこの△くんは□日まで休みなんだよ。
夏休みの長さに関しては「1年間トータルにしたら同じになる」という定説が実は誤りであり、たとえば長野は年間10日間くらい休みが少ないなど、都道府県の教育委員会での目安をもとに各学校で差があるということは、以前コネタで取り上げた通り。
だが、この他にも、
「○○小学校は温水プールがあってズルイよなあ」
「△小学校は体育館が広いのに、うちは狭い」といった施設に関する不公平、
「○小学校の修学旅行先は△で、○万円もかかるんだよ。小遣いも5000円までいいのにウチは小遣いゼロだよ」
「○○小学校は遠足のおやつ500円もいいんだよ!」
といった“ゼニカネ”に関する不平など、子どもたちの「不公平トーク」というのは、昔から繰り返されてきたもの。
「修学旅行の行き先などは、基本的に学校側、教員の話し合いなどで決まることが多いです。保護者にアンケートをとる学校、教育委員会から指示があることもありますが」
と、都内のある小学校教諭は言うけれど……。
では、施設の充実度はどのように差がつくのか。建て替え時期と区市町村の予算などとの兼ね合いなのか。
地方のある中学校教諭に聞くと、「あくまで個人の意見」として、以下のような話をしてくれた。
「現場にいると、校長先生の教育委員会へ働きかける力が一番影響してるのでは? と思います。なぜなら、地震でゆがんで雨漏りするうちの学校の渡り廊下の修理より、町の中心部にある比較的新しい校舎の玄関の雪よけの屋根の設置のほうが優先されたことがあったから。また、校長先生の力だけでなく、地元の市議さんのプッシュ力も、お金を出させるという部分では大きいです」
確かに、校長が区議や市議と懇意にしているから、施設にかなりの費用を割いてもらった……なんて話を聞くこともときどきある。
「だから、校長先生がいかに地域と連携して、学校にいかにお金を持ってきてくれるか、その手腕にかかっている部分があるかな、と思います」
と、同教諭。
ちなみに、同時期に工事された校舎や施設は似ている部分もあるので、そうした時期の“流行”のようなものも影響してくるかも……という指摘だった。
ところで、屋外プールの学校の子は「温水プールの学校は雨天でも泳げるからズルイ」と言うし、一方で温水プールがある学校の子は「屋内プールで泳いでいると、徐々に日焼けしていかないから、臨海学校で一気にひどい日焼けをして困る」と言うし……。子どもの「不公平トーク」はどっちにしても尽きないもの。
共有する不平不満が1つの連帯感となっている場合もあったり、「他校の事情をよく知っている」という情報通の自慢話的に使われる場合もあるわけで、その不公平感を楽しんでいる向きはなきにしもあらず。
今年の夏もいろんなところで不公平トークが繰り広げられています。
(田幸和歌子)
暇を持て余した子どもたちから「オレは○日まで夏休みだけど、いとこの△くんは□日まで休みなんだよ。
ズルイ!」なんて不満を聞く機会も増える時期だ。
夏休みの長さに関しては「1年間トータルにしたら同じになる」という定説が実は誤りであり、たとえば長野は年間10日間くらい休みが少ないなど、都道府県の教育委員会での目安をもとに各学校で差があるということは、以前コネタで取り上げた通り。
だが、この他にも、
「○○小学校は温水プールがあってズルイよなあ」
「△小学校は体育館が広いのに、うちは狭い」といった施設に関する不公平、
「○小学校の修学旅行先は△で、○万円もかかるんだよ。小遣いも5000円までいいのにウチは小遣いゼロだよ」
「○○小学校は遠足のおやつ500円もいいんだよ!」
といった“ゼニカネ”に関する不平など、子どもたちの「不公平トーク」というのは、昔から繰り返されてきたもの。
「修学旅行の行き先などは、基本的に学校側、教員の話し合いなどで決まることが多いです。保護者にアンケートをとる学校、教育委員会から指示があることもありますが」
と、都内のある小学校教諭は言うけれど……。
では、施設の充実度はどのように差がつくのか。建て替え時期と区市町村の予算などとの兼ね合いなのか。
地方のある中学校教諭に聞くと、「あくまで個人の意見」として、以下のような話をしてくれた。
「現場にいると、校長先生の教育委員会へ働きかける力が一番影響してるのでは? と思います。なぜなら、地震でゆがんで雨漏りするうちの学校の渡り廊下の修理より、町の中心部にある比較的新しい校舎の玄関の雪よけの屋根の設置のほうが優先されたことがあったから。また、校長先生の力だけでなく、地元の市議さんのプッシュ力も、お金を出させるという部分では大きいです」
確かに、校長が区議や市議と懇意にしているから、施設にかなりの費用を割いてもらった……なんて話を聞くこともときどきある。
「だから、校長先生がいかに地域と連携して、学校にいかにお金を持ってきてくれるか、その手腕にかかっている部分があるかな、と思います」
と、同教諭。
ちなみに、同時期に工事された校舎や施設は似ている部分もあるので、そうした時期の“流行”のようなものも影響してくるかも……という指摘だった。
ところで、屋外プールの学校の子は「温水プールの学校は雨天でも泳げるからズルイ」と言うし、一方で温水プールがある学校の子は「屋内プールで泳いでいると、徐々に日焼けしていかないから、臨海学校で一気にひどい日焼けをして困る」と言うし……。子どもの「不公平トーク」はどっちにしても尽きないもの。
共有する不平不満が1つの連帯感となっている場合もあったり、「他校の事情をよく知っている」という情報通の自慢話的に使われる場合もあるわけで、その不公平感を楽しんでいる向きはなきにしもあらず。
今年の夏もいろんなところで不公平トークが繰り広げられています。
(田幸和歌子)
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