最近、気になっているのはつぎに買う新しい一眼レフカメラを何にするかということ。そこで、ポイントになるのが写真だけでなく動画の性能だったりする。

しかし、動画を重視するなら、一眼レフよりハンディタイプのビデオカメラを買ったほうがいいのではとも思う。さて、この悩みの原因となっている動画性能だが、一眼レフとビデオカメラの大きな違いとは……。

レンズから入った被写体を撮像素子(イメージセンサー)で捉え、画像処理エンジンによって映像化してメモリーに蓄積するという基本的な構造は同じ。だが、
「一眼レフカメラの大型撮像素子と交換レンズで画質に違いが出ます」(ニコン)
どういうことか。
「大型撮像素子ならではの高画質な動画撮影や、多彩な交換レンズを活かした撮影、背景をぼかすことなどができます」との説明。

一般的に一眼レフの撮像素子はビデオカメラより大きいことが知られている。
通常、同じ画素数でも大きい撮像素子のほうが画質がよい。したがって、ビデオカメラの映像とシビアに画質を比較すれば、一眼レフに軍配があがるというわけだ。
背景をぼかして被写体を浮き上がらせる撮影にも大型撮像素子が有利。さらに、300~500ミリといった超望遠レンズを装着すれば、より大きなボケ味が堪能できる。

だが、良いことばかりではない。
「長時間の撮影。
そして、オートフォーカス機能が弱いです」(同社)
たとえば、ニコン製一眼レフ『D5000』の動画の最長記録時間は約20分(640×424、320×216ピクセル時)。対して、多くのハンディタイプのビデオカメラは通常1、2時間程度の撮影が可能。最近では、一眼レフでも1時間程度の撮影ができるモデルも出てきているが、全体的に見ると撮影時間の長さではビデオカメラが優位である。

また、一眼レフは動画撮影モードにすると、静止画撮影時のようなオートフォーカスが効かない。ビデオカメラは動画時においても、オートフォーカスでしっかり被写体にピントを合わせられる。これについても、動画モードのオートフォーカス機能を強化している一眼レフも一部あるものの、全体としてやはり現時点ではビデオカメラのほうが優れている。


大きな違いとしては以上のようなところだ。一眼レフとビデオカメラ、どちらのメリットを評価すべきか。一長一短あるだけに悩みは深い。あなたはどちらを選びますか。
(羽石竜示)