女子といえば虫、特に毛虫なんて大の苦手……それが常識だと思われがち。しかし最近、「毛虫やイモムシが可愛くて仕方がない!」「蛾が好きで好きでたまらない!」という女性が秘かに増加中だという噂を耳にした。
いったいどんな女性たちなのだろうか? その素顔に迫ってみることにした。

蛾の名前で検索するとかなりの確率でヒットするというウェブサイト『晶子のお庭は虫づくし』を運営するのは宮城県在住の高校2年生の晶子さん。サイトを一緒に作っている母親の“うさこ”さんはじめ、家族みんなで昆虫を愛しているという。そんなお2人にお話を聞いた。

「蛾が大好きです」と語る現役女子高生の晶子さん――部屋には無数の飼育器が並び、イモムシ・毛虫の世話に1日3時間以上をかけることもあるという。朝日新聞姉妹紙の記者も務め、全国子ども電話相談室やテレビ出演も果たしたことがあるという昆虫好きの間ではちょっとした有名人だ。

そんな晶子さんのご家族は全員が大のイモムシ好き。
「虫を育てる過程は、きっと子育てに通じるところがあるのでは。思春期の女の子には、ぜひ虫の飼育を通して何かを心で感じてほしい」
とお母さん。イモムシといえど、子どもを育てるようにあつかう点は女性ならではだ。また、虫に名前をつけて飼育したり、蝶や蛾に育てて自然に放った後もその行方が気になって仕方ないのだとか。ここにも昆虫へ注がれるたっぷりの愛情が表れているといえるだろう。


また、ミクシィなどのSNSでも「昆虫好き」系のコミュニティが発達しつつあり、女性が管理人を勤めているものも目に付く。たとえば会員数400名以上の、とあるコミュニティでは、道路に落ちている虫を助ける“運動”を勧めている。これが意外に多くの参加者を集め、「小さな生き物を可愛がるという趣旨に共感を覚えた」「今日はキアゲハの幼虫を2匹救った」など、掲示板も盛り上がっているようだ。中にはいかにもギャル風の女子が、「虫は人間より弱い存在だから守ってあげるべき。虫をいじめるなんて最低だ!」なんて発言をしていたりと、思わぬ光景も見られる。

様々な情報を集めてみたが、どうやら女子に人気があるのは、柔らかく、ぷにょぷにょしていて、性格の優しいイモムシらしい。このあたりが、カブトムシなどを愛する男性の昆虫好きとの違いだろう。これも弱いものを守ってあげたいという、女性ならではの母性本能なのだろうか。

現在はコミュニティレベルの活動で、公式の団体などはまだないようだが、彼女たちが「毛虫女子」として話題となる日も近いかも。何れにせよ、生き物をかわいがる心は見習いたいものですね。
(金子大輔)
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