インクジェットプリンタのインクって決して安くないものなのに、たまたま気に入った写真がたくさん撮れたりすると、プリントに熱くなって、インクをついつい使いすぎてしまう。が、それならまだ納得がいく。


そうではなくて、プリントしないのにインクを消費してしまう現象がある。ノズルの目詰まりを解消するため、強制的にインクを排出する「クリーニング」だ。これを行うと、微量ではあるがインクを消費する。しかし、微量といえども回数が多くなれば無視はできない。目詰まりをキレイに取り除くのに、1回のクリーニングで済むとは限らないのだ。
この明らかなインクの無駄をどうすれば減らせるのか。
プリンタメーカーのエプソンさん。是非とも教えて!

つい最近、こんなことがあった。新しいモバイルプリンタで試しに挨拶状をプリントしようと思ったら、いくらやっても宛先が印字されない。が、なぜかカラーイラストは印刷できる。「黒インクは入れたばかりで満タンだしなぁ。なにがおかしいんだ」と悩んだすえ、気づいたのは黒インクの目詰まりだ。
クリーニングしてあっさり解決した。
インクが新しくて満タンであろうとなかろうと、目詰まりは起こるのだ。

もしかして、室内温度や湿度が目詰まりの頻度に関係しているのでは。すると、
「基本的に推奨される動作環境の範囲内であれば、気温、湿度の変化による大きな違いはありません」
推奨される動作環境の範囲内とは?
「製品ごとに異なりますが、たとえば当社製の多機能プリンタ『EP-802A』の場合だと、温度:10~35度、湿度:20~80%(非結露)であることです」

ではどうすれば良いのか。
「目詰まりを防ぎクリーニング回数を減らすには、定期的に印刷するのが効果的です。そうすることで、プリントヘッドを常に最適な状態に保つことができるからです」
つまり、目詰まりの原因はプリンタを定期的に使わないこと。
確かに、長く使わないでいると、クリーニングを何度も繰り返し行わないと正常にプリントできないことが多い。

ちなみに、定期的って具体的にどのくらい?
「定期的について具体的な目安は示していませんが、数カ月に一度は印刷することをお奨めします」とのこと。

さらに、インク節約のためのこんなアドバイスもある。
「プリンタ動作中にコンセントを抜くなど、強制的に電源オフにすると、インクヘッドが正しい位置に固定されない状態になります。すると、次に電源を入れたとき自動的にクリーニングを行ってしまうので、電源を切る際には、必ずプリンタの電源ボタンでオフにしてください」
ふつう、固定タイプのプリンタならコンセントを抜くこと自体がほとんどないのでその心配は少ないだろう。しかし、モバイルプリンタなら話は別。
プリンタの設置場所を移動するとき、コンセントを引き抜くことがあるからだ。

クリーニング回数を減らせぱ、その分だけ写真プリントが増えるわけで、そう考えると、やはりインクは一にも二にも節約、節約です。
(羽石竜示)