寒さ厳しい日々。冷え込みなどをものともせず、朝から並ぶ人たちの姿を見かける定番スポットの1つに、「パチンコ屋」がある。


それにしても、なぜ朝から並ぶのか。

趣味というものはえてして、やったことのない人には解せない醍醐味を持っているもの。自分の場合、かつてはドラクエ発売日に並んだこと、プロ野球のオールスター戦チケットのために並んだことなどあるが、それも興味のない人から見たら「なんで並ぶの?」と思うものかもしれない。
とはいえ、毎日大勢の人が並ぶ場所となると、人気のドーナツ屋かパチンコ屋ぐらいしか思いつかない。
なぜ毎日、朝から行列ができるのか。
パチンコ好きの知人・友人などに聞いてみた。

「もちろん狙っている台というのはあります。たとえば、月曜火曜は出ていないから、水曜は出るんじゃないかとか、前日から目をつけておいたりするんですよ。夕方や、夜の閉店間際の時間に行って、チェックだけして帰り、翌日は朝いちばんで並ぶというパターンですね」
どうやって「当たりが出た台」をチェックするかというと、「今の台には上にカウンターがついていて、大当たりが何個とかわかるから」。これはパチンコをやる人なら誰でも知っていることらしい。

また、その他の「パチンコで朝並んだことのある人たち」には、こんなコメントがあった。
「新しい台が出たり、人気がある台となると、5~10台くらいしかない場合も多い。
朝早く行かないと、その台自体が空いてない場合が多いから」
「朝イチに確変を探して何軒かまわるようにしているから」
「新台が全国的に導入された日、強いイベント日が重なるときなどは、やっぱり朝早くから並びたい」
「やっぱりお目当ての台があるから。埋まってしまっているときは、空くのを待ちながら打つけど、なかなか空かないもの。そのイライラを考えたら、朝早くから並ぶ価値は大きい」
「朝から並んでおくと、いくつかの店・台を定期巡回してチェックしつつ、ほぼ全部を消化できるから」
「新台が導入される日には、朝から優先入場券を配るところもあるので、朝イチに並ぶ必要がある」

さらに、「一時は寝ても覚めてもパチンコのことばかり考えていたから、朝から並ばずにいられなかった」などという人もいた。

ただし、パチンコをする人がみんな朝から並ぶかというと、そうでもない。なかには、こんな意見もあった。
「パチンコで良い台をとりたいとは思うけど、世間的なイメージがあんまり良くなくて、周囲の人の目が冷たいから、朝から並ぶのにはちょっと抵抗がある」
「別にパチンコだけ特別じゃない。ドリームジャンボとかの発売日に並ぶ人と変わらないのでは?」

様々な思惑・欲・情熱を抱え、朝から並ぶ人たち。もちろんパチンコに限らず、「その労力・エネルギーを勉強や仕事に費やせば?」という声や、「朝からの行列は近所迷惑」などという声もあるのは事実。
趣味はくれぐれも他人の迷惑にならない程度で、というのもどうぞお忘れなく。
(田幸和歌子)
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