DVDレンタルも缶ジュースを自販機で買うような感覚になってきた。
ゲームソフト、DVDレンタル、書籍などの複合メディア販売店「ゲオショップ」を展開するゲオが今月から、都内スーパーチェーン「ピーコックストア」7店にDVD自動レンタル機『GEO BOX』を設置。
今年度内に100台、来年度中には1000台の『GEO BOX』を大手スーパー、コンビニ、駅、書店などに設置する予定。

レンタル料金は100円からで、新作6~12時間毎、旧作24時間毎の時間課金システムだ。支払いにはクレジットカードを使用する。支払い、受取り、返却いずれも同レンタル機で行う。また、常時1000枚前後のDVDが同レンタル機に在庫されており、専用ウェブサイトでの予約も可能。
しかし、一体どんな狙いがあって100円レンタルという格安サービスを始めたのか、ゲオグループ会社のぽすれんに聞いてみた。


――どうして100円という格安レンタル料が実現できたのか。
「ユーザーのより身近な場所に『GEO BOX』を設置し、通常2泊3日のタイトルで1日毎の貸し出しペースを目指します。つまり、タイトルのレンタル回数を増やして採算をとるのです」

――在庫する1000枚前後のDVDタイトルは何を基準に選んでいるのか。
「ゲオの店舗でのノウハウを生かし、新作はもちろんのこと、旧作でも比較的人気の高い作品を基準に選んでおります」

――現金ではなくクレジットカード決済の理由は?
「リアル店舗での会員入会の手間を省くために、クレジットカード決済のみとしました。近い将来、電子マネーなどの利用も可能にしていきたいと思います」

――『GEO BOX』の『ぽすれん』サービスにはないメリットは?
「宅配と郵便ポストを利用したレンタルサービス『ぽすれん』では、宅配のタイムラグをストレスに感じて利用しない方がいらっしゃいます。そこで、『GEO BOX』をコンビニやスーパーなど、ユーザーの生活導線上に設置することで、買い物のついでに借りられる手軽さを打ち出したわけです」

――では、今後『ぽすれん』サービスは止めるのか。

「宅配レンタルとは利用層が違うと想定しているので、『ぽすれん』をやめるということは現在考えていません」

近年、インターネットによる映画、ビデオタイトルのオンデマンドな視聴やダウンロード販売が増えている。ゲオは『GEO BOX』設置でDVDレンタルをより便利で低価格にすることで、ネットサービスに対抗する狙いがあるのだろう。
コンテンツ産業はインターネット vs レンタルの構図のもと、価格競争やサービス合戦がこれからますます激しくなっていきそうだ。
(羽石竜示)