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富士山を「邪魔だなあ」と嘆くまち

ライター情報:田幸和歌子

味のあるキャッチコピー。よく見ると、温泉マークの湯気の部分が「しもべ」という文字になってます。

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どこもかしこも人ごみ・渋滞だらけだったGW。「わざわざ人ごみに行くより、家で寝てたほうがいい」なんて人も案外、少なくなかったかもしれない。

そんな混雑嫌いの人たちにぜひお勧めしたいのが、山梨県の下部温泉だ。
源泉温度は32度程度だが、場所によっては「水!?」と思うほどのぬるい温泉が特徴で、「武田信玄の隠し湯」と呼ばれているだけあって、下部のまちは本当にひっそり。

JRを利用すれば、新宿から最短でわずか2時間15分程度にもかかわらず、GWまっただ中でも、行列や混雑とは無縁の静けさだ。
そんな状況を物語るコピーを掲げたポスターが、まちのここそこに貼られている。

『富士山は、とてつもなく邪魔だなあ。』

みんながありがたがる富士山を「邪魔」呼ばわりするのには、理由がある。ポスターにはこんな解説文が添えられている。

「東京方面から、ここ下部温泉へのアクセスは大きく2通り。中央線経由で富士山の北側を迂回するコースと、東海道線経由で南側を回るコース。いずれにしても富士山の『裏側』にあるこの温泉は、ちょっぴり不便な印象を与えてしまうようです。同じ麓の温泉でも、箱根や石和はあんなにメジャーなのですから、実に不公平」

箱根や石和などが、しっかり「観光地」なのに対し、下部温泉は、まちのあちこちに、開き直りのようなマイナー感・脱力感が溢れている。東京の隣の県とは到底思えず、ずいぶん遠くまで来てしまったような気分を味わえる場所なのだ。
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ライター情報: 田幸和歌子

書籍出版社、広告制作会社を経てフリーに。月刊誌・週刊誌・夕刊紙などで執筆中。

2010年5月19日 10時00分

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