「ジン」って知ってますか?

「ジン」とは主に印刷・製本などに出す大げさなものではなく、個人がコピーやホチキス綴じなどで手作りした冊子のこと。
語源はmagazineのzineから来ていて、もともとニューヨークやヨーロッパなどで、アーチストが小遣い稼ぎや、作品プロモーション目的で作った手作り本を「ジン」と呼んでいたようだけど……。


そんなジンを集めたイベントが、9月3~5日、「青山ハウススタジオ」で行われるという。
期間限定の古着店と同時に、イラストレーター、グラフィック・テキスタイルデザイナー、染色家、編集者、小物創作家、コピーライターなどなど総勢約27名の手作りアートマガジンが集まる「9月青山おしゃれ古着店プレゼンツ 二十七福zine展」。

このイベントをプロデュースするイラストレーターでおしゃれ古着店店長のかわむらえり子さんに話を聞いた。
「日本では、昨年『ZINE'Z MATE』という名称で、原宿のヴァカントで、大きいイベントがあり、今年はアーツ千代田にて『ART BOOK FAIR』という名前で、7月末からの3日間ジンのイベントが開催されていました」

「ジン」という言葉、まだまだ一般には広まっていないものの、ファッション関係者が自分のブランドカタログを「ジン」と呼んでいたり、お洒落なイメージで少しずつ浸透しつつあるのだとか。
「私の場合は、ジンという名前は、これまで使ってないものの、職業柄、宣伝用にイラストファイルをいっぱい手作りしてフリーで配ってきたこと。また、古着店のほうは、昨年春より3か月に一度、2~3日のみ限定開店をしているのですが、同ビルにレンタルスペースがふたつあるため、コラボレーションすれば、客層も広がるかも……と。
そこで、6回目はリサイクルきものやさんと、7回目はアフリカワイイ洋服の梅田洋品店さんとコラボし、8回目は、三軒茶屋の週末自宅ギャラリー『waitingroom』さんに遊びに行って教えてもらった『zine』という呼び名がすっかり気に入ってしまったというのが大きなきっかけですね。私自身もジンを山ほど作っているし、『ジン』という呼び名を知る前からそういう冊子は好きで買い集めてるし、友人知人、イラストレーター、デザイナーなどクリエイターは周りに多いので、作ってもらって集めたら面白いのでは? と思ったんです」

深刻な不況続きに加え、さらに電子書籍の影響で、今後どうなる?と噂される出版業界。そんななか、個人的に手作りされるアートマガジン「ジン」は、紙媒体としてなくなることないだろうし、さらに今後注目されるのでは?と、かわむらさんは言う。
「そして、ジンに興味ありな客層は『古着好き』が多い!!はず。ということで、今回、古着店コラボとなりました」

詳細は、「青山お買い物帖B面」にて。
アート好きも本好きも、もちろん古着好きも、チェックしてみては?
(田幸和歌子)