mixiから始まりTwitter、Facebookと、いつしかSNSは日常生活に欠かせないツールに……。ここで一つ、反省があります。
私だけでしょうか? どうにも、ネガティブなことばかりを書き連ねるネット生活になってしまいまして。
例えば、世に起こるロクでもない事件、身辺で起こる嬉しくない出来事、テレビで観たイライラな場面。それらに、いちいち不平不満をぶつけてしまうのです。いや、良くないとはわかってるんだ。でも、昨日起こった事件と言ったらね。もう冗談じゃないっていう。……イカン、イカン。

ネガティブな言葉を書いたり口にしたりする前に、ちょっと自分で立ち止まってみたい。そして、確認してみたい。もっと他に言い方あるんじゃないか? って。そういう思慮深さを身に付けたい。
そして、そんな時にこの一冊が良いかもしれないのです。
主婦の友社から発売されている、その名も『ネガポ辞典』(税込み1,050円)が、まさに打ってつけなのです。

これは「“ネガティブな言葉”を“ポジティブな言葉”に変換してくれる辞典」だそう。では、わかりやすく例を挙げてみましょうか。「八方美人」を辞書で調べると「自分の本音を偽って、まわりの人すべての意見に賛成する」と書いてある。もう、文句なしにネガティブな意味合いが含まれた単語と認知されているでしょう。
しかし、ちょっとスイッチを換えてみないか? 『ネガポ辞典』には、「八方美人」の言い換えの言葉として「フレンドリー」、「愛想がいい」、「気配り上手」が挙げられています。なるほど、そんな風に置き換えられなくもない。前向きなワードに変身しちゃったじゃないですか!

要するに、こうです。
「あいつ、誰にでも調子よく接して、八方美人じゃねーか」(ネガティブ)

「あの人、自分の主張をぐっと飲み込んで、フレンドリーに接してるんだな」(ポジティブ)
ネガティブがポジティブに引っくり返っちゃった! ほら、変換できたでしょ? こんな言い換えの手助けをしてくれるのが、この『ネガポ辞典』であります。

そして、この辞典製作の経緯について。どうやら、元々は高校生によるアイデアだったようだ。2010年度「全国高等学校デザイン選手権」で3位に入賞した札幌平岸高校・生徒のアイデアを元に、iPhone用無料アプリとしてリリースされたのが、この『ネガポ辞典』。
そしてそれが、遂に全国区となる。
「昨年4月に『ストライクTV』(テレビ朝日)にて『ネガポ辞典』アプリが紹介されているのを目にし、すぐに『これは書籍に向いている』と判断。こちらから作者に連絡を取りました」(「主婦の友社」・三宅川さん)
素晴らしい。私は、高校生に教えられてしまいました。「前向きな言霊を発しようじゃないか」と、メッセージを受け取りましたよ!

では、他にどんな“ネガポジ変換”ができるのか、目についたものを列挙していきたいと思います。
・「臭い」(ネガティブ)→「フェロモンがあふれ出ている」(ポジティブ)
・「忙しい」(ネガティブ)→「ビールがおいしくなる」(ポジティブ)
・「流行に疎い」(ネガティブ)→「伝統を大事にする」(ポジティブ)
・「いかり肩」(ネガティブ)→「リュックが落ちない」(ポジティブ)
・「疑い深い」(ネガティブ)→「詐欺に引っかからない」(ポジティブ)
・「テストで悪い点をとった」(ネガティブ)→「のびしろのある点数」(ポジティブ)
・「勝手に携帯のデータを見られた」(ネガティブ)→「より自分を理解してもらえた」(ポジティブ)
どうですか、こんなのばっかり書いてあるんです。有効活用すれば、人間として“達人”になれそうな気がするよ。

そんなこの辞典、せっかくだから有効活用したいですよね。だからこそ、このような使い方はどうでしょう? 例えば「あいつ、暗いよな」を「あの人いつも落ち着いて、聞き上手だよね」と変換し、嫌いな人をちょっとだけ好きになったり。例えば「なんで私、こんな老けてるんだろう」を「10年くらい経ったら、みんな私に追いつく。私はパイオニアだ」と、自分に自信を持ってみたり……。
同書を活用してネガティブをポジティブに変換すると、人生が大変換するかもしれない。
きっと、すべてが前向きに。こりゃ、素晴らしい!

そんな『ネガポ辞典』の、主な反響について。
「職場の人間関係や就職活動、男女間の恋愛に役に立ったというお声が寄せられております」(三宅川さん)
20代半ば~40代後半に購入層が集中しているという、この辞典。ギスギスしがちな職場の人間関係が、“ネガポ変換”によって穏やかなものになっているか?

「物は言いよう」という言葉があるけど、その「言いよう」が私にはよくわかりませんでした。でも、これからは大丈夫。めっちゃ、活用していきます!
(寺西ジャジューカ)
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