秋刀魚、茄子、さつまいも、かぼちゃ、きのこ、栗などなど、秋の味覚が楽しみな季節となってきた。中でも私が大好きなのはかぼちゃである。
小豆と一緒に煮物にするなどして、この時期、おやつ代わりによく食べている。しかし、かぼちゃって結構当たりはずれがありますよね。なんだか水っぽくて、はずれだったー、とがっかりすることもしばしばで……。

そんなかぼちゃ好きの私がここのところ気になっているのが、20年前から1コ約2,000円で販売されている、『栗マロン』なる高級かぼちゃ。びっくり価格にもかかわらず、伊勢丹などでこだわり食材として飛ぶように売れているのだとか。栽培に非常に手がかかるうえ、収穫できる量も少ないという、まさにかぼちゃ界のプリンセス!? しかし、その名の通り、ほっくりした栗のような甘味と食感で衝撃のおいしさらしい(お値段にビビって、私もまだ未体験!)。

ほっくりした味のヒミツは、そのでんぷん質の含有量。一般的なカボチャの100gあたりに含まれるでんぷんが1.5グラムなのに対し、栗マロンは21グラム! その差、なんと約14倍である。持ってみると、ふつうのカボチャより重量感あり。そして、流通ルートも通常とは異なり、製造販売を行う株式会社ズッカが、直接、デパートなどに販売することでブランド価値を守っているのだそう(この他、ネット直販などもあり)。

同社の佐藤一さんにお話を伺ってみたところ、
「野菜や果物などで甘さ、『糖度』を求めるお客様が非常に多いのですが、長年、栗マロンを扱い、なぜ20年も飽きもせずに皆さん召し上がっていただけるのかと考えたのですが、ただ『甘い』だけではない『深みのあるコク』が支持されているのだと思います」

とのことで、なるほど「甘い=おいしい」ではないというところもなんだかツウっぽい。それにしてもいったい、どんな人が購入するのでしょうか? やはり、白金や芦屋あたりのセレブマダムとか?

「小さなお子様を持つ主婦の方が食育の一環として購入されたり、50代以降の生活に余裕のあるご夫婦のリピートが多いですね。
また、お料理教室の先生や、パティシェやシェフの方々にもご支持を頂いております」

とのこと。なお、最近では同社のネット販売で1個入りのギフト包装も好調とか。なるほど、いっぷう変わったプレゼントとして、親世代や料理好きの友人などへ贈れば喜ばれそう! ギフト用におしゃれな箱におさめられた様子は、まさに「箱入り娘」といった趣き……。ちなみに、おすすめの食べ方などはあるのでしょうか?

「『栗マロンかぼちゃのオーブン焼き』です。ようは、焼くだけなのですが、余分な水分を飛ばし、じっくりとホクホク感と甘さを引き出すことのできるこの食べ方は、本来のおいしさを伝えられるものだと思います」

なるほど、シンプルな食べ方こそ、食材のよさが際立つということですね……。というわけで、この栗マロン、私も実家の母に贈るなどして一緒に味わってもイイなぁ……と画策しているところ。考えたら国産マツタケを買うよりはずいぶん安い!? ですよね。もうすぐハロウィンでもあることだし、今年は家族や仲間と究極のかぼちゃ料理を味わう会、なんていかがでしょう?
(まめこ)
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