これから日差しが強くなる季節。肌のシミを気にする人は多いが、実は眼にもシミができるって、知っていますか?

眼のシミは、正確にはシミのような症状の出る「瞼裂斑」(けんれつはん)という病気。
白目の一部がシミのように黄色く濁り、盛り上がってしまうもので、なんと6割近い人にこの症状が見られるという。潜在的なものをふくめると8割にものぼるというから、ちょっとひとごとではないかも!?

先ごろ、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社が瞼裂斑に関するセミナーを開催。社員298名(平均年齢38.4歳)を対象に実施した眼科検診をもとに、最新の調査結果を発表した。同社では金沢医科大学の佐々木洋教授と協力して調査をおこなったという。

まず、「瞼裂斑」という言葉を初めて聞いた人も少なくないだろう。認知度は0.7%ときわめて低く、多くの人に見られるものの、ありふれた症状のためカルテに書かれないことも珍しくないという。失明につながる病気ではなく、自覚症状がないことも多いので軽視されがちだが、充血、ドライアイといった症状や、白目の一部が異常増殖して黒目に伸びてくる「翼状片」(よくじょうへん)となどいった別の病気の原因になることもある。また、眼のシミというだけあって、やはり見た目が美しくない。

原因も肌のシミと似ている。加齢、外界からの物理的刺激等、そして紫外線。このうち対策しやすいのは、やはり紫外線だ。今回の調査では、メガネやUVカットコンタクトレンズが予防に有効であることが確認されたという。


通常、瞼裂斑は黒目と白目の境目にできやすいが、UVカットコンタクトレンズをしていると、黒目から少し離れた部分にできることが多い。つまり、レンズで覆われている部分はしっかり紫外線がカットされているのだ。ただ、レンズで覆われていない部分は当然ながら紫外線を浴びてしまう。一方、メガネは眼の比較的広範囲を覆い、UVカットコンタクトレンズほどではないものの、紫外線カット率もそれなりに高い。ただ、メガネと顔のすきまから入りこんだ紫外線が眼に吸収されるというリスクがある。

佐々木教授いわく、どちらもメリット・デメリットはあるので併用がベスト。自身も、UVカットコンタクトレンズをしながら、外に出るときはメガネをかけているそうだ。もちろん、視力がよければコンタクトレンズは不要。だが、近視や乱視がまったくない人はほとんどいないというから、一度チェックしてもらうのもよいかも。また、サングラスや帽子を併用するのも一手。眼の紫外線対策については「あなたをもっと輝かせる瞳の美白」というサイト内でも詳しく紹介されている。

一度できてしまった瞼裂斑はほとんどの場合、消えることもなく、とくに有効な治療法もないという。
若くても、屋外で長時間活動をするような人はとくに注意が必要だ。これからの季節、肌だけでなく眼の紫外線対策もお忘れなく。
(古屋江美子)
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