親日国といわれる国、トルコ。遠く離れた異国である日本に、トルコ人が興味を持つキッカケとは何だろうか?

イスタンブールで旅行会社「オーバーシーズ・トラベル・エージェンシー」を営み、日本メディアの現地コーディネートも務めるアイシェヌル・ゲディキリさんに、トルコの日本事情について聞いてみた。

「日本に興味を持つ人は、日本の漫画やアニメを好きな人が多いです。特に『キャプテン翼』は今も昔もとても人気が高いです。ただし、私の場合は漫画ではなく、歴史に興味をひかれました。特に平安時代が好きで、紫式部とか清少納言がお気に入りです。和歌はとても素敵だと思います」

もしトルコ人が日本語を学びたいと思った時、どこで習うのですか? 
「日本語を教えている大学はチャナッカレ大学、カイセリにあるエルジエス大学、アンカラ大学、イスタンブールのボアズイチ大学など。日本文化情報センター(イスタンブール)などでも、学習は可能です。
毎年一回、イスタンブールでは日本語弁論大会も開催されていて、それぞれが発表するテーマも、日本の鉄道や恋愛・結婚、お祭りなど様々。私は渡来人について発表しました」

トルコ国内では、しばしば日本語を上手に話せるトルコ人と出会うが、トルコ語話者にとって日本語を学習するのは簡単ですか? 
「トルコ語は日本語と同じウラル・アルタイ語族。文章を組み立てる語順はほぼ一緒なので、単語を覚えてしまえば話すのは容易です。ただし、漢字はトルコ語と全く構造が違うので、苦労する人も多いです」

トルコは親日国だと日本人に思われていますが、実際トルコ人は日本のことをどのように考えていますか? 
「日本には優しいイメージがあります。またトルコ人にとって東アジアといえば、まず日本が頭に浮かびます」

現在、仕事でも多くの日本人と関わることが多いと思いますが、トルコ人と日本人で何が大きく違いますか? 
「トルコ人は喜怒哀楽をストレートに表現します。しかし、日本人は表に出さない。
その感覚はトルコ人にとって理解できません。私も仕事をはじめて最初の3年間は、そこにギャップを感じました。しかし今では、たとえ感情的になりそうな時でも、それを抑えて接してくれる日本人の性格が好きです」

遠くても近い国、それがトルコと日本。今後とも良い関係を保ちたいと思える国の一つでした。
(加藤亨延)