人の往来や周囲の明るさに反応して、自動的に点灯・消灯するセンサ付きの照明がある。玄関のポーチなどでよく使われているものだ。


私がいま住んでいるマンションの部屋にも、玄関(屋内)にセンサ付き照明が備え付けられている。人が近づくと自動的に点灯し、時間が経つと消灯するものだが、この動作について以前から不思議に思うことがあった。

誰も出入りしていないのに、突然、玄関の電気が点いたり、消えたりすることがあるのだ。それほど頻繁にはないが、忘れたころに起こるのが逆に怖い。夏の夜中など、ついオカルト的な想像もしてしまうが、同様の話は他でも聞くから、なにか原因があるのだろう。

そこで長年の疑問を解決すべく、センサ付きの照明器具などを扱うメーカー、パナソニック電工株式会社の照明事業本部 インテリア照明事業部 担当者に話を聞いた。


そもそも、センサは何に反応しているの?
「動く熱源に反応しています」
動く熱源とは、一般的には“人”にあたる。同社のセンサ技術(FreePa)では、赤外線センサによって人を検知。人体の表面と背景の温度差によって、センサに入射する赤外線量が変わるので、その変化を検知して動作するのだという。

そのような原理であるため、やはり人がいなくても照明が点灯することもあるらしい。具体的には、以下のようなケースが考えられるとのこと。

(1)強い光に反応した場合
例:反射の強い床面のある場所、凸凹が比較的大きい壁面のある場所(目に見えなくても赤外線が反射してセンサが反応することもある)
(2)背景温度と温度差のある物体が動いた場合
例:風などでよくゆれる植物の近く、交通量の多い道路に面した場所
(3)物体の温度が変化した場合
例:エアコンの室外機などの熱量を発生するものの近く、換気扇などの送風を発生させるものの近く
(4)器具が振動で動いた場合
例:振動の激しいポールなど不安定な場所

逆に、器具の設置環境によっては人が接近しても検知しないケースもありえるそう(前面に障害物があったり、夜でも明るいような場所など)。

「センサ付の器具は、センサが正しく反応しているにも関わらず、誤動作では? と誤解されることもあります」
話を聞いた後、わが家の玄関照明も改めてチェックしてみると、近くに通気口を発見。おそらく上記(3)の送風による温度変化が原因なのだろう。理由がわかってほっとした。

わが家の玄関のセンサ付き照明はおそらく10年以上前のものだが、最近では機能やデザインも豊富になっている様子。
「長時間点灯させることが多いポーチライト(玄関灯)は省エネのLEDに変わってきています。省エネのLEDにセンサの付いたものなら、さらなる省エネが図れます」
たとえば同社の「LEDポーチライト」は、さまざまな点灯モードを設定ができるうえ、携帯をリモコン代わりに使うこともできるそう(※アプリのダウンロード要。
一部対象外の機種あり)。

設置する環境にさえ気をつければ、私のようにドキリとすることはほとんどなさそう。むしろ、省エネや防犯対策として、センサ付き照明に対する注目はますます高まっているようです。
(古屋江美子)