30歳を過ぎると「もう、若くないんだな」と痛感する……、というよりもさせられる瞬間が頻繁に訪れるワケで。
まず、運動をすると筋肉痛が2日後に来る。
そして、走ると腰が痛くなる。だが一番ヘコむのは、自分のお腹を見た時。この部位だけが、ボコッと膨らんでいるのだ。もう、若くないんだな……。

上記のグチは、男性である私の中での悩み。思うに、女性の方が加齢に対する焦りや落胆は深いのかもしれない。
そこでワコールの「人間科学研究所」が7月13日に発表したのが、「からだのエイジング・ケア方法」。同研究所によると、女性のおなかとヒップの加齢変化にはメカニズムがあるそうだ。

まず、加齢によって大きく変わる部位は主に5つ。「バストが下がる」、「お腹が出る」、「ヒップが下がる」、「ウエストから骨盤近くに脂肪がつく」、「ウエストのくびれがなくなる」といった変化が、女性の体に見られるらしい。

次は、順序について。加齢による体型変化には、法則化されたステップがあるという。

“おなかの形の加齢変化ステップ”に関して言うと、「へそまわりが出てくる」→「下腹全体が出てくる」→「胃の辺りまで出てくる」。
“ヒップの形の加齢変化ステップ”は、「ヒップ下部がたわむ」→「ヒップ頂点が下がる」→「股関節付近がそげ、ヒップが内側に流れる」といった順序で変わっていく。
変化が始まる年齢やスピードには個人差があるものの、変化の順序に関して言えば皆一様にこの流れだそうだ。

でも、切な過ぎるだろう。どうして、このようなことが起こってしまうのか? 原因が気になる……。
その点についても、同研究所では解明済み。ヒップの形が変化する要因は、単に脂肪がついているからではない。ヒップ内部の“ゆるみ”が、大きく影響しているのだ。
ヒップには筋肉と脂肪の間に「筋膜」があり、そこから伸びる「結合組織」が脂肪を支えている。これらの結合が加齢や筋肉の衰えにより“ゆるむ”ことで、脂肪全体がズレ下がってしまう。このメカニズムが、ヒップ変形の一要因だ。

また、上記のようにゆるんだヒップは日常生活の中での動き(小走りなど)で揺れる。
これも、問題なのだ。
内部がゆるんだヒップが揺れる時は、筋肉や脂肪が一つの塊になって揺れるのではなく、それぞれタイミングがずれたように動くため、ヒップ全体が波打つように揺れる。こういった揺れが、ヒップ内部のゆるみを加速させてしまう。なぜなら、組織の結合が弱まってしまうから。

動くたびにお尻がゆるむなんて、どうすればいいんだ……? 大丈夫、対策法があるから。
20代から50代までを追跡した女性の中で、若い頃の体型を維持している女性たちに共通しているのは、下着として自分の体に合った「機能性ボトム」(ガードルなど)を着用していること。これにより、適度な力でおなか・ヒップ全体を包み込んで、下から持ち上げている。これが、ヒップの“揺れ”を小さくするのだ。

でも、自分の体に合った「機能性ボトム」を選ぶのは大変。そのためには、専門のアドバイザーに相談することが大切だそうだ。
また、購入する際に気をつけてほしい項目がある。それは、「採寸し、自分の正しいサイズを知る」、「試着し、軽く屈伸などして、着け心地や動きやすさやシルエットを確認する」、「買った後は、日々、正しい履き方を実践する」の3点。

面倒臭いかもしれないけど、横着しないで取り組んでいただきたい。

また、体型維持には歩き方も重要。特別な運動をするのではなく、普段の歩行の速度を速くし、姿勢を良くして歩幅も広くする。そして、何より活動的な生活を送ることが大事だ。
でも、今までの歩き方を“しっかりした歩き方”に変えるのは大変な作業かもしれない。しかも、それは長期的に継続すべき歩き方なのだ。
ただ、機能性ボトムの中にはそのような歩行をサポートするものもあるそうなので、ますます「機能性ボトム」から目が離せない。

自分には見えないけど、他人からはかなり目に付く部分であるヒップ。早めの対処が得策でしょうか?
(寺西ジャジューカ)
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