カナダ・バンクーバーで行われたとてもスイートな「フラッシュモブ」を紹介したい。通常、フラッシュモブはインターネットを通じて呼びかけられ、それに賛同する人たちが決まった時間になればそれとなく公共の場に集まり、あらかじめ決められた行動を一緒に達成することと言われている。
その行為が終わると何事もなかったかのように即座に解散するのがお決まりだ。有名なフラッシュモブといえば、マイケルジャクソンをトリビュートする時に開催されたダンスだろうか。

さて、世界で行われる様々なフラッシュモブだが、バンクーバーの観光名所とも言われるカナダプレイスで行われたキスのフラッシュモブ。開催場所は旗が目印とフェイスブック上には書いてあったが、約束の12時までは「自然に振舞うこと」が決められているため、本当にこの場所で行われるのか……不安になった人も多かったに違いない。開始の3分ぐらい前まで、カップルらしき人は少なかったが、12時ごろになると何となくカップルが増えて来たような気も。参加表明は170人、実際の参加者は40~50人ほどいただろうか。


フラッシュモブの合図となる船の汽笛音が響くと、参加カップルが突然1分間のキスを始めた。もちろん、突然行われるため、同イベントのことを知らない人も多く、周りで行われるキスに「何事か?」とキョロキョロしている人もいたが、カップルは1分後には何事もなかったかのように、あっという間に散らばっていった。

観光客のカップルの中にも「皆がキスしてるから、私たちもキスしよう!」というような便乗キスらしき様子もうかがえたが、そんなスイートな雰囲気の中、観光客もキスの嵐を笑顔で見守った。それにしても、カップル同士が事前に「『キスのフラッシュモブ』に参加しよう」と話し合う姿は微笑ましいというか羨ましいではないか。参加者の中には彼が何も知らない彼女を誘い突然フラッシュモブに参加して彼女を驚かした人もいたり。カップルにとってもドキドキで愛を分かち合う最高のイベントだったに違いない。


日本では「キスのフラッシュモブ」受け入れられるだろうか?!
(山下敦子)