日本人は物をとても大事にする人が多い気がする。それを如実に表している例が、iPhoneをケースに入れて使う人。
電車の中でよく見かける。筆者としては、「そこまで大事にしなくてもいいのでは」と正直思う。あのような薄っぺらいプラスチックケースでは、万が一落としたときに衝撃を十分吸収できるとは考えられないし……。

そうではなくて、キズが付くことを恐れて使っているのだろう。他方、自動車が好きな人の中には、休みの日に自分で洗車しながらキズがどこかに付いていないかチェックしているようだ。

そんなにキズが付くのが気になるのなら、キズを見つけ出すためのアイテムを紹介しよう。
サッとポケットから取り出せそうな小さめの懐中電灯『車傷見・歪み検査用LEDライト』(ジャパンホビーツール販売)がそれだ。自動車の板金加工屋さんで大好評だという。波長が短い特殊青色LEDは、肉眼では見づらいキズを浮かび上がらせる。
「青色は歪みや傷の濃淡をはっきりさせる性能があるのです」(ジャパンホビーツール)

板金加工屋だけでなく、工場検査・警察鑑識さんでも役に立つというが、どのように?
「たとえば、刃物工場の刃物の最終検査で歪み、傷ががないかをチェックするために使っています」
「警察ではまだ使用許可が出ていません」

さらに、光を拡大するズーム機能を搭載。
「5メートル先で通常の2000倍の広さを照らします」(同)
つまり、自動車のような大きな製品では照らす面積が広いほうが短時間にキズを見つけやすいわけだ。

だが、筆者も含め自動車マニアでも工場ラインでチェック作業をしているわけでもない人にとってはどう使えばいいのか。

「コレクション(カメラや時計、ナイフなど)の傷がないか見ることができます」(同)
なるほど、さきほどのiPhoneの話に戻るわけ。身の回りで大事にしている小さなアイテムのキズチェックを簡単にできる。なので、キズが気になる方は是非利用してみては。

しかし、「少々のキズくらいは気にしないほうが幸せ」ということもある。神経質になってほんの僅かなキズでも気になってしまうのはどうかとも思うので、一般の方には『車傷見・歪み検査用LEDライト』はほどほどに使うことをお勧めする(業者はあくまで仕事だからほんの僅かなキズでも探さなければならないのだ)。

キズをマイナス要素と捉えるか、それとも長く使ってきた証(歴史・記念)と見るかはそれぞれご自由に。
いずれにしても、人間と同じく、脛にひとつやふたつのキズはあるものだ。
(羽石竜示)