独特の存在感を漂わせる名古屋の食文化。新幹線で名古屋駅に着いた時、そのネーミングに気になった人も多いかもしれない土産物がある。
その名も「名古屋ふらんす」。一体、名古屋ふらんすとは何なのか。製造元、名古屋ふらんすcorp株式会社でお話をうかがってきた。

「名古屋ふらんすとは、フランスの焼き菓子ダックワーズで餅とクリームを挟んだ商品です。ダックワーズとは粉にしたアーモンドをメレンゲに混ぜ、焼いて仕上げたもの。アーモンドの香ばしさをメレンゲで楽しむフランス発祥の焼き菓子です」(担当者)

そもそも、なぜ「名古屋ふらんす」というネーミングなのですか?

「名古屋の食文化はミックス文化。例えばトーストに小倉あんを合わせて小倉トーストができたように、素材と素材ではなく完成品と完成品を合わせて新たなメニューを作り出します。名古屋ふらんすも、ダックワーズと餅というそれぞれ完成したものを合わせて誕生しました。二つを合わせるという発想が名古屋ですしフランス菓子を使っているので、結果『名古屋ふらんす』になりました」(同)

製造過程で特にこだわっているところはどこですか? 

「ダックワーズのベースになるメレンゲです。当然ですが卵によって毎回の泡立ち方は変わります。ニワトリが食べるエサによっても影響を受けます。ゆえに全て機械まかせにしてしまうと泡立ちにむらが出たり、メレンゲを壊さずふわりとした生地に成形することができません。
メレンゲの硬さによって混ぜる回数を変えるなど、毎回人の手で調整します」(同)

何年前から売られているのですか? 

「販売を開始したのは、愛知万博や中部国際空港の開港などで愛知県が注目され始める前年の2004年からです。弊社は今まで、土産物業界には足を踏み入れたことがありませんでした。しかし、せっかく名古屋が注目されるのだから何か銘菓を作り出そうということで、この商品が生まれました。これを機会に、名古屋のミックス文化をもっと県内外にアピールしたいです。また同時に名古屋の人にも新しい名物として、かわいがってもらえればうれしいですね」(同)

名古屋ふらんすは、名古屋駅構内や中部国際空港内の土産物コーナーをはじめ、愛知県内の高速道路のサービスエリアなどでも販売されている。また近隣県の一部サービスエリアや通信販売でも取り扱っているそうだ。新たな名古屋のミックス文化をご堪能あれ。
(加藤亨延)
編集部おすすめ