近年、日本各地でも開催され盛り上がりをみせているビールの祭典、オクトーバーフェスト。本家はドイツのバイエルン州ミュンヘン市でおこなわれているお祭りだ。
179回を迎えた今年は9月22日から10月7日まで開かれている。現地から今年の様子をお伝えします。

今年のオクトーバーフェストではガラス製のボトルが使われなくなった。毎年出る多くの酔っぱらいが割ったボトルによって起きる、けがを防ぐためだそうだ。ただし、ガラス製のジョッキは依然使用されている。会場の総面積も規模が小さくなった。これは同祭がおこなわれるテレージエンヴィーゼの南側が、9月22日から30日まで農業フェアに使われていたためであり、今回は26ヘクタールの大きさでの開催となった。

またファミリー向けのアトラクションが増えたり、新たなお化け屋敷も設けられた。加えて以前からのように、会場内の遊園地には回転系のアトラクションもそろっている。しこたま飲んで酔っぱらってからの挑戦は注意が必要! 一瞬の気の緩みから周囲の乗客に迷惑をかけてしまう……。

会場内ではミュンヘンのビール醸造会社だけがビールを提供している。今年のビールの値段は各ビール会社のテントによって異なるが1リットル単位(!)で9.10〜9.50ユーロ(約910〜950円)。
同祭によればビール1杯(もちろん1リットル)で約500キロカロリーになるそうだ。

ところでオクトーバーとは「10月」という意味。なぜ9月にはじまるのにオクトーバーフェストなのだろうか。

そもそもの始まりは、1810年にルードヴィヒ1世とザクセン皇女テレーゼの結婚式をミュンヘン市民が祝ったことに由来する。祝宴は1810年10月12日から始まり、17日におこなわれた競馬で幕を閉じるまで6日間続いた。翌年以降も宴は日程を延長されながらおこなわれ、期間も9月に動いていった。その理由は天候。冬の訪れが早いミュンヘンにおいて、9月の夜はまだ暖かく外でビールを楽しめるからだ。そして起源が10月という歴史的なこともあって、9月に始まり10月に閉幕するスタイルが現在まで続いている。

さて、ここまできたら、そろそろビールが飲みたくなってきた頃。ミュンヘンのオクトーバーフェストは今月7日で閉幕するが関東ではまだおこなわれている。お台場シンボルプロムナード公園セントラル広場と横浜赤レンガ倉庫で、それぞれ10月14日まで開催中。
本場のドイツビールを飲み干そう。プロースト(乾杯)! 
(加藤亨延)
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