体によいといわれる食品はいろいろあるが、豆もそのひとつ。とくに食物せんいが多く、なんとスプーン大さじ1強の煮豆で、サラダ1杯分の食物せんいに相当するのだとか。


だが、いざ作るとなると、なんとなく面倒なイメージのある豆料理。そもそも豆を使った料理というと案外レパートリーが少ない人も多いんじゃないだろうか。私自身はひじきの煮物に大豆を使うことは多いが、あとはカレーやスープにたまに入れる程度。ひとくちに豆といっても、大豆や黒豆、きんとき豆などいろいろあるが、そもそもうまく使い分けられていない。

だが、実は豆は驚くほどいろんな料理に使える。先月発売された『フジッコのおまめさんレシピ』(880円税込/宝島社)を見て、それがよーくわかった。
本には定番のカレーやサラダのレシピから、「豆バターサンド」「白花豆のティラミス」なんて変わり種まで紹介されていて、結構なんでもアリな感が楽しい。

本を監修しているフジッコといえば、「おまめさん」シリーズでおなじみ。同社ではこれまでにも「おまめマルシェ」などで豆を使ったレシピを公開しており、この本はいわばこれまで蓄積したレシピの集大成。同社の担当者いわく、
「市販の煮豆や豆の水煮、蒸し豆を活用することで面倒な下ごしらえもなく、短時間で簡単に豆料理ができることを、あらためて広く知ってほしいですね」
調理時間が5~10分と短いレシピが多いのも特長だ。

ということで、さっそく私も作ってみることに。まずは、「フジッコ社員が選んだ人気BEST10」第2位の「おまめさんとひき肉のレタス包み」。
見た目のキレイさと調理時間10分という短さに惹かれてチョイスしたが、これが正解。10分で仕上げたとは思えぬほどシャレた感じだし、甘くてやさしい味は家族にも好評。そのままゴハンのおかずにもなるし、レタスに包めばビールも進む大人のおつまみに変身。材料を切って炒めるだけなので、失敗いらずというのも嬉しい。

それからもう1品、見た目で気になった「豆ホットケーキ」にもチャレンジしてみた。こちらは物珍しさから半信半疑でトライしたのだが、意外にアリな組み合わせ。
牛乳のかわりにヨーグルトを使っているので適度な酸味が味を引き締めている。

このほかにも、本には103ものレシピを掲載。「フジッコ社員が選んだ人気BEST10」「お豆が主役のごちそうレシピ」「お豆のホットスープ&軽食レシピ」「おもてなしにも使えるほっこりお豆スイーツレシピ」など全6パートから構成され、フジッコ社員が伝授するお豆料理のコツなどコラムも充実。
「デパ地下で売っているようなオシャレなサラダがこんなに簡単に!」
「煮豆はスイーツだけでなくメイン料理にも応用できるんだ!」
など、豆のポテンシャルに驚くことうけあいだ。

豆には食物せんいだけではなく、植物性たんぱく質も豊富で、大豆イソフラボンや黒豆アントシアニンなど体に嬉しい栄養素もたっぷり。豆好きはもちろん、豆が苦手な人でもおいしく食べられるレシピが多いので、この機会にぜひ豆をあらためて見直してみては。

(古屋江美子)