確定申告の際、減価償却の資料をいろいろ見ていたら、意外な数字が目についた。それは、車両運搬具の法定耐用年数票に見る、自転車の「2年」というもの。
自転車の耐用年数って、そんなに短いの?

実家には、姉が高校生のときに乗っていた自転車がまだ「現役」で働いていて、自分も実家に行くときにはよく借りている。もう20年以上前に買ったものなのに、なんの不便も感じない。
それでいて、現在、身の周りでは、1~2年単位、長くても数年で自転車を買い替えているような人もけっこういる。

自転車の耐用年数って、本当はどれくらいなのだろうか。都内の自転車屋さんに聞いてみた。
「自転車の耐用年数は一般的には10年程度です。
ただし、乗り方や置き場の環境によって、大きく異なってきます。たとえば、部品などを交換しながら丁寧に乗っていると、20年も30年も乗れる場合もあれば、短期間でダメになってしまう場合もあります」

自転車の「環境」としていちばん悪いのは、やはり「野ざらし」だそう。
「野ざらしで、雨などにあたる環境にあると、1年程度でガタガタになってしまうこともあります」
また、メーカーによっても差はあり、ブリジストンなどの国内大手メーカーのものは、やはり長持ちするものが多いそうだ。

その他に、自転車の耐用年数で大きくかかわってくる要素はというと……。
「実は、乗る人の体重によっても耐用年数はかなり違ってきますよ。体重が軽い人に比べ、重い人はやっぱりタイヤなどへの負担が大きいですから。
そして、もちろん移動距離によっても違います。例えば、移動の多い高校生の野球部男子などでは、一年で自転車がボロボロになってしまったような子もいますね」

今はホームセンターなどで、1万円程度で売られている自転車もたくさんあるだけに、タイヤ交換の費用などを考えたら、修理するよりも新しく買ったほうが安いと考え、数年スパンで買い替える人も多いのだろう。

ちなみに、自転車を長持ちさせるためには、1カ月に1度は空気を入れ、2カ月に1度はチェーンに油をさしてあげるのが望ましいそう。その他、タイヤ交換や部品交換も適宜必要になってくる。

確かに修理するよりも、買い替えたほうが安いことは多いけれど、日々使用するモノだけに、愛着も深まる自転車。高級自転車でなく、安く購入したママチャリだって、愛情は同じ。
長く大切に乗ってあげたいものです。
(田幸和歌子)