「ひこにゃん」と「くまモン」というゆるキャラを送り込んだ彦根市と熊本県は、それぞれの方法で奮闘。彦根市は短冊に願いを書き込める笹の葉をブース内に設けて人を呼び込んだ。熊本県は加藤清正に扮したケロロ軍曹の等身大フィギアと一緒に写真を撮れたり、『くまモン体操』の映像を流して一緒に踊れるようにした。
自治体の中でも特に人気があったのは沖縄県。星砂を小瓶に入れてオリジナルのカラーサンドアートを作れるコーナーや沖縄民謡ポップユニット・サンサナーのライブをブース内で披露。沖縄民謡のリズムの良さは、来場したフランス人にかなり受け入れられていた。
NHKワールドは「カワイイ」をテーマにアートショーなどを開いて来場者を集めた。同ブース内では第一興商が機材協力してDAMを使ったカラオケ大会も開かれた。もう一方のカラオケ大手エクシングはニコニコ動画と共にジョイサウンドでカラオケを展開。フランス人が日本語の曲を歌う姿がネットに配信され、会場内で多くの人が足を止めた。
『NARUTO』『ワンピース』『フェアリーテイル』というフランスで人気が高いタイトル(特に『NARUTO』は仏銀行大手ソシエテ・ジェネラル発行のVISAカードの絵柄にも採用されている)を扱う各ブースは順調に客足を伸ばしていたが、それらに加えて今年は『進撃の巨人』の超大型巨人の頭部もお目見え。同作をフランスで刊行するピカ・エディションは第2話のフランス語版を配ったり、合成して巨人に食われている写真を撮れるコーナーを設けた。
毎年ジャパンエキスポでたこ焼きやお好み焼き、丼などを扱うAtsuAtsuでは、アニメ版ワンピース10周年を記念したコラボプレートを販売した。「獺祭」で有名な山口県の旭酒造は、同商品が『エヴァンゲリオン』で登場するシーンを使ってアピールした。なお今年は飲食を扱うブースが一区画にまとめられ比較的分かりやすくなった。
以前コネタで取り上げジャパンエキスポでの展開が気になっていた「痛スーツ」は249ユーロ(約3万2000円)でスーツを展開。無事フランス人から注文を受けたそうだ。
今までジャパンエキスポは漫画・アニメ、テレビゲームが中心だった。現在でもその内容に変わりは無いものの、来場者数の増加とそれに伴う日本からの注目度の上昇で、ここ数年はそれ以外の企業も多く出展するようになり幅が広がってきた。14回目の今年はその特徴がより感じられた年になった。
(加藤亨延)