「天才」といったら、誰を思い浮かべます? バカボンとかアインシュタインとか松本人志とか、人は色々言うけども。

個人的に、何と言っても私は武藤敬司をプッシュしたい。
資質として、ある意味、アントニオ猪木や佐山聡より優ってる部分もあると思うわけで。嘘だと思うなら、90年に凱旋帰国した彼のNKホールでの一戦(タッグマッチ)を観てみたらいい、Youtube等で。あの時の煌めきと言ったら、それこそモノが違う。まぁ、余談ですけども。

……いや、余談ではないのです。ここにも、理解者がいました! 渋谷にて5月11日にオープンしたつけ蕎麦店「ローリング蕎麦ットJ」の店長さん、ゴリゴリの“武藤敬司推し”なんです。


店舗に足を踏み入れば、その嗜好は一目瞭然。エントランスには、グレート・ムタに似たレスラーがつけ蕎麦を持ちながらローリングソバットしてるオブジェが設置されている。店内に入ると、壁面にはグレート・ムタに似たレスラーがでっかく描かれてるし、カウンター前には3本ロープが張られているし、おもむろにゴングがドカンと置かれているし。
「中学2年の頃から、武藤さんが好きなんです。ちょうど、東京ドームで武藤さんがスコット・ノートンからIWGPを獲った時期辺りですから……」
お答えいただいたのは「ローリング蕎麦ットJ」店長の台場秀人氏。店名は「ローリングソバット」と「そば」を掛けてみせており、「J」は「JAPAN」の頭文字である。


「以前より、店を出すならプロレスと面白くリンクできればなと考えていました」(台場店長)
何しろ、店内はプロレスグッズの宝庫。フィギュアはあるわ、マスクはあるわ、ポスターはあるわ……。これ、レアものなんじゃないですか?
「レアものは置いてないですね。そこにあるタイガーマスクの覆面も、ファンが応援用にかぶるものです。佐山さんのサインは入っていますけど……」(台場店長)

もしお客さんがグッズに触り、それが万に一つ破損となってしまったら大変。それこそ、弁償の可能性だって出てくるだろう。
その時の多大な金額を想定すると、とてもレアグッズは置けたもんじゃない。……とは言いつつ、20年近く前に発売された初代タイガーマスクのレーザーディスクなんてのも展示されており、そのチョイスセンスにはグッと来るのだが。
「それはもう、再生不可能ですね。レーザーディスクのプレーヤーが売ってないですから(爆笑)」(台場店長)

ところで同店のこだわりは、店舗コンセプトだけではない。「日本の味を世界に発信したい」という志を台場店長は持っており、つけ蕎麦開発には5年もの歳月を費やしている。麺は、信州の製麺所に特注したオリジナルの平打ち麺を採用したそうだ。

「つけ麺で使うようなスープと製麺所による蕎麦の組み合わせは、珍しいと思います」(台場店長)
というか、“日本発世界”という発想が武藤さんっぽい。性根から“武藤敬司推し”じゃないですか!

では、同店が誇る人気メニューを教えていただきましょうか。
「『魚介とんこつムーンサルト』と『ゆず塩四の字固め』というメニューがあります」(台場店長)
前者は平打ち麺を魚介スープに付けて、後者はゆず塩スープに付けていただくメニューです。具材は、いわゆる“全部乗せ”。スタンダードタイプ(750円)にはネギと海苔と角煮が乗り、“全部乗せ”(1,050円)にはメンマ、ほうれん草、生卵2個がプラスされます。

では、実際にいただいちゃいましょうかね! さぁ目の前に出されたのは、噂の『魚介とんこつムーンサルト』。
これが、非常に美味なんです。角煮はこってりしており、その一方でスープが染みこみまくった平打ち麺がスルスル~っと口の中に入っていく。トロリとしたとんこつ風味のつけ汁が絡むと、箸がドンドン進むわけですよ。
……っていうか、「ムーンサルト」も「四の字固め」も武藤さんの得意技じゃないですか! ネーミングもクオリティも、あやかっている。

そして、「激辛つけ蕎麦」なる新メニューも期待十分。スープ無しの一品です。
この形式でいただくと、シコシコした平打ち麺が完全に新境地。歯応えがダイレクトで身体に伝わり、ガッツリ感は十二分! あえてお腹を空かせ、その状態でいただきたいお蕎麦でした。
「当店では、他の蕎麦にはない“ガッツリ感”を出したいと考えています」(台場店長)

そんな「ローリング蕎麦ットJ」の客層について。実は武藤さんがブログで告知してくれたらしく、オープン当初はプロレスファンの来店が多かったよう。
「でも今では、一般の方の来店が多いかもしれないです。女性のお客様にも、頻繁に来ていただいております」(台場店長)
ちなみに武藤さん本人による来店は、未だないとのこと。来ていただきたいなぁ、大変な時期だろうけども……。

それにしても目につくのは、カウンター奥に見えるグレート・ムタ似のレスラーのイラスト。でも、ムタカラーの赤ではなく、青いボディをしている。これ、ムタですよね?
「いえ、ソバです。グレート・ソバです」(台場店長)
実はこの壁画、グレート・ムタのデザイナーで特殊メークアーティストでもあるJIRO氏が監修したものだそう。言うまでもなくムタをモチーフにしたプロレスラーを、デザイナーご本人が創造してくれたのだ。ムタが持つ強さと茶目っ気、そしてアメコミ風のスタイリッシュさが同居したイラストでした。

プロレスファンよ、渋谷円山町で「グレート・ソバ」が待ってるよ!
(寺西ジャジューカ)

●「ローリング蕎麦ットJ」
住所:東京都渋谷区円山町1-19 竹ビル 1F
TEL:050-5868-8749 (予約専用番号)
03-5458-9988 (お問い合わせ専用番号)