東京の新名所スカイツリーがオープンして1年半あまり。今、東京タワーの人気はどうなっているのか、気になったので運営する会社に聞いてみた。

答えてくれたのは、タワーを管理・運営する日本電波塔総合メディア部の澤田さん。
「スカイツリーの開業効果でタワーのメディア露出は増えました。2020年のオリンピックが確定したことで、東京全体が活気づいているのも良い要素ですね。ちなみにスカイツリーが開業した2012年度も、前年度比2万人増の243万人と入場者数は微増しています」とのこと。

東京タワー展望台の年間来場者数は、1958年のオープン直後に493万人を記録。その後2000年度にはその半分以下にまで減少したが再び増加し、ここ数年は年間約250万人前後で推移しているそう。スカイツリー報道が際立っていた時期も、入場者は変わっていないということになる。澤田さんはその理由を「江戸情緒ある下町エリアに最先端のスカイツリーが建ち、山の手エリアに半世紀以上建ち続ける東京タワーがあるのは、東京のコンテンツとしていいバランスなのでは」と推測している。
お話によれば、東京タワーは観光スポットとしてのイメージが強く、「いつも見えているけれど、特に行く気にならない」「一度行けば十分」という人が多いそう。
そこで東京タワーは“脱・観光スポット”を目指し、主に首都圏に住む個人客を増やす戦略を推進し、夜景の時間を中心に、様々なイベントを落とし込んでいるのだとか。

――東京タワー人気は相変わらずですか?
「最近は、春と秋の修学旅行を中心とした団体旅行ではやや苦戦しております。逆に夏休み等の個人客が多い季節は昨年並みの数字をキープしている状況です。
今後は東京タワーだけでなく、東京タワーが立つ芝公園や、浜松町といったエリア全体でお客様を呼ぶ施策を、周辺の企業さんや自治体様と、推進していければと考えています」

――二度目の東京オリンピックを迎えますが?
「山手線の真ん中にある東京タワーは、成熟した東京の街を俯瞰するのにふさわしい場所。2020年の競技開催予定地は、ほぼ東京タワーから見渡すことができます。外国人の方々には東京観光のスタート地点としても、生かしてほしいですね」

これ以外にも展望台だけでなく、フットタウンと呼ばれるタワー下の商業ビルには、東京タワーブランドを打ち出すためのオリジナルグッズがたくさん。12月に開業55周年を迎える今年は、記念グッズが人気だそうです。また、展望台ではニコンと協力して、双眼鏡の無料貸出サービスをスタートするなど、東京タワーは常に新しい展望台のあり方を模索しています。
現在はクリスマスイルミネーション企画で冬時期の個人客をターゲットに、引き続き魅力的なプロモーションを続けています。今年のクリスマスイルミは地上だけでなく、東京タワーとしては史上初、大展望台の中もイルミネーションで飾られ、夜景とのコラボがとても印象的です。ぜひこのクリスマスにロマンチックな東京タワーを味わいたいですね!
(カシハラ@姐御)
編集部おすすめ