昨年9月にパリでオープンした猫カフェ「ル・カフェ・デ・シャ」も、今年9月に2号店がパリ右岸のバスチーユ地区に開店予定だ。店舗面積も1号店と比べて、2号店はより広くなるという。営業中の1号店も、以前のような混み具合では無いものの、未だ週末は予約無しではなかなか入れない。猫カフェは完全にパリっ子に受け入れられている。
猫カフェの猫たちは、どこから来るのだろうか? パリのル・カフェ・デ・シャの場合、身寄りのない猫を動物保護団体から引き取ったものだ。同店の営業目的の1つは、猫に第ニの人生を与えること。同店で出迎えてくれる猫達は、種類や美しさ、色や血統で選ばれていない。ここで猫カフェ“店員”として新たな人生を送り、客は相性が合えば、惚れ込んだ子を里親として引き取ることもできる。欧州他国の猫カフェも大体は同様のコンセプトを持つ。
猫は縄張り意識の強い動物である。
じつは同じ猫カフェでも、国によってシステムは少しずつ異なる。例えばロンドンとパリを比べると、ロンドンのレディー・ダイナズ・キャット・エンポリアムは入場料5ポンド(約850円)を払い2時間いられる時間制。入場料に飲食代は含まれない。パリのル・カフェ・デ・シャは、入場料や時間制は無く、普通のカフェのように飲食代だけ支払う。店舗自体も、前者は猫をモチーフにした店のポストカードやマグカップ、ジュエリーなどを販売し、積極的にビジネスを展開しているが、後者はどちらかといえばシンプルだ。
現在、ロンドンとパリ共に猫カフェは1店ずつしかない。もし今後これら店に続く別の店が現れた時、ロンドンは時間制、パリは飲食代のみというような、今の料金システムがその国のスタンダードとして根付いていくのだろうか。各国で猫カフェ文化がどのように広がるか将来が楽しみだ。
(加藤亨延)