プレゼンテーションの最中に聞き手がウトウト――プロジェクターで資料を映し出す際に部屋の明かりを落とすと、つい眠くなってしまう人が一定数いるものだ。眠くならないようにプレゼン内容を工夫するのもひとつの手だが、簡単な解決策は使用するプロジェクターを変えてしまうことらしい。

「3LCD方式」のプロジェクターを使用すれば照明をすべて消さなくても明るく鮮やかに投写でき、スライド資料の写真も見栄えが良くなるという。実際に「3LCD方式」と「1チップDLP方式」の2種類のプロジェクターで同じスライドを投写して比べてみた。

明るさと色の違いに驚き


社内の会議室にプロジェクターを設置して実験スタート。照明は一部を消しただけの明るさで、まずはヒマワリの画像を投写してみる。

眠くならないプレゼンにはプロジェクター選びが重要 ビジネスプロジェクター国内シェア1位エプソンに聞く

左が「3LCD方式」のプロジェクターだ。ひとつのPCから同一の画像を出力しているはずなのに、左のプロジェクターのほうが圧倒的に明るく見える。太陽の光を浴びるヒマワリの色も鮮やかに投写されている。あまりに歴然とした差に筆者と一緒に実験を行った編集部員も「おお~かなり違いますね!」と驚きの声を漏らす。

右の「1チップDLP方式」のプロジェクターで投写した画像は、暗いうえにカラーの発色もあまりよくない。別のヒマワリの画像に感じられるほどだ。プロジェクターの形式の違いでこれほど違いが出るとは! 明るくきれいに色が出た「3LCD方式」で投写した画像に無意識のうちに視線が向かっていく。これなら眠くなりそうにない。

次はミニトマトの画像で比較してみる。
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左の「3LCD方式」のプロジェクターで映した画像は、PCモニターで見たときに近く、思い通りの明るさと色で表示されている。だが、右の「1チップDLP方式」のほうは全体的に暗く黒みがかった色に変化し、元画像のみずみずしさが失われてしまった。用意した画像がきれいに投写できないのでは、プレゼンのときにどうも頼りない。

しかも驚くのはプロジェクターの明るさは、左が3000ルーメンなのに対し、右は3200ルーメンであることだ。左の「3LCD方式」はスペックだけを見ると200ルーメン暗いはずだが明るく感じられる。同じプロジェクターでも形式が異なるだけでなぜこれほど違うのか。

「3LCD方式」を採用しているエプソンの担当者に聞くと、
「3LCD方式プロジェクターは、信頼ある、3チップ(パネル)+1個のプリズムを使用したシンプルな光学エンジンを採用しています。光利用効率に優れており、高画質な映像を投写します。
一方、1チップ(DLP)方式プロジェクターはカラーホイールを利用しているため、3LCD方式に比べ光利用効率が悪くなる傾向があります」

と話す。

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3LCD方式の仕組みを表した図(エプソンウェブサイトに掲載)

3LCD方式では、光源から出た光を赤・緑・青の三原色に分離し、各色ごとにパネルに透過させてからプリズムで合成するので常時フルカラーで投写できる。それに対して1チップDLP方式は、赤・緑・青で色分けされたカラーホイールという円盤に光を通し赤・緑・青の各色を交互に投写することで脳内でフルカラーと認識させる仕組みのため、光のロスがあるという。3LCD方式は、1チップDLP方式と比べて、カラーが最大で3倍明るいそうだ。

今回の実験では3LCD方式は「EPSON EB-W420」を、1チップDLP方式は他社製品を使い、比較した。エプソンは21年連続でビジネスプロジェクターの国内シェア1位(1995年から2015年)を獲得している。プレゼンの準備をする前に、まずは普段使っているプロジェクターが「3LCD方式」なのか「1チップDLP方式」なのか調べてみるのがよさそうだ。

明るさ別プロジェクター選び|エプソン

提供 エプソン