クリスマスシーズン真っ只中ですが、みなさんは"クリスマスオレンジ"という言葉を聞いたことがありますか？ これはカナダに伝わる慣習のこと。なんでもカナダでは、柑橘類がなくなるクリスマスのシーズンに、日本から輸入した温州みかんを"クリスマスオレンジ"と呼び、大切な人にプレゼントするのだそうです。
日本のみかんがカナダでそんなふうに親しまれていたとは驚きですよね。
そんな"クリスマスオレンジ"の慣習を逆輸入し、PRを行なっている場所が日本にありました。みかんといえば、やはり愛媛県。中でも最大のみかん産地である八幡浜市では、"クリスマスオレンジ"を広めたいという市民グループの声から広がり、今では特別にラッピングしたみかんを販売するなど、活動が広まっているとのこと。さっそく八幡浜市にお話をうかがいました。
地域で数百個しか生産できないハート型みかん
――"クリスマスオレンジ"の慣習は地元ではだいぶ浸透してきていますか？
「愛媛県やお隣の伊方町、関係民間団体等が一体になった、愛顔（えがお）のみかんプロジェクト推進協議会が立ち上がり、本格的に普及に取り組んで今年が3年目。
認知度はだいぶあがってきましたが、目指すところである『大切な人にプレゼントする習慣』が根付くところまではまだですね。今年の"クリスマスオレンジフェスティバル"で、さらに発信していきたいと考えています」
八幡浜市といえば、以前、コネタで紹介したこともある、合格＝五角の語呂合わせから誕生した五角形のいよかん"五格いよかん"を作るなど、ユニークな試みも。
"五格いよかん"は年明けに伊勢丹新宿店で販売予定だそう。
そして今年は、キュートなハート型のみかん＝ハートみかんもお目見え！
「残念ながら、生産量が多くないため、ハートみかんだけの販売はありませんが、ハートみかん入りのクリスマスオレンジというかたちで、道の駅『八幡浜みなっと』の「アゴラマルシェ」等で限定販売する予定ですが、まだ詳細は決まっていません」
写真はハートみかん入りのクリスマスオレンジ。ボックスには今年のゆるキャラグランプリで2位だった愛媛県が誇る、ゆるキャラ「みきゃん」も！
なるほど。聞けば、ハートみかんは地域全体でも数百個しか生産できないとか。たしかに、みかんをハート形に作るのはかなり難しそうです。
――ハートみかんを作るときに大変な部分、気をつけているのはどんなところですか？
「9月頃、まだ青いみかんを木枠にはめ込むのですが、大きさ50ミリ程度が適当なので、ちょうど良いものを見つけます。
また、途中で木枠が外れたりしないようメンテナンスしながら育てています」
それにしても、可愛いハートみかんをもらえたら、テンションあがるはず！ ところで、先ほどお話に出てきた"クリスマスオレンジフェスティバル"も気になります。
――"クリスマスオレンジフェスティバル"は毎年12月に八幡浜市で行なわれているそうですが、今年の見どころを教えていただけますか？
「今年のみどころは「オレンジライトアップ」と「冬の花火」です。巨大みかんオブジェのほか、みなっと緑地公園全体を心まで温まるオレンジ色の光で幻想的にライトアップする予定です。冬の花火は『フェスティバル実行委員会』のメンバーの悲願でした。大切な人に贈る愛のみかん"クリスマスオレンジ"に相応しい、ロマンチックな瞬間になると思います」
冬の花火！ 温州みかん2万個で作るという巨大みかんオブジェも、高さ2.8ｍ×直径7ｍと迫力たっぷり。ライトアップも見応えありそうです。
今年のライトアップでは、内側にライトを設置する予定だそう。
「八幡浜港や向灘のみかん山を背景に、大きなみかんオブジェが映えます。皆さん写真をとっていかれますね」
クリスマスオレンジフェスティバルは12月19日に実施予定。また、みかんオブジェは12月19日～来年1月4日まで、「まるごとみかんフェスタin八幡浜・佐田岬」が行なわれる『八幡浜みなっと』に展示されるとのこと。
今年のクリスマスはオレンジ一色に!? 染まってみるのも楽しそうです。
（田辺 香）
