物理的近さや滞在費の安さ、食の傾向、日本語がそこそこ通じる利便性などから、台湾へ行く日本人は多く、リピーターも多数いる。
日本人が大好きな台湾、10年でココが変わった!
台北市・故宮博物院。

日本人が大好きな台湾、10年でココが変わった!
夜市はいつも大にぎわい。

自分も約10年前に初めて訪れて以来、台湾が大好きになってしまい、これまで10回ほど訪れているのだが、10年間で変わったと思うことも多数ある。

そこで、日本人観光客として見る、個人的に感じた台湾の10年間の変化をまとめてみたい。


屋台の「魯肉飯」の値段


台湾屋台フードの定番「魯肉(ルーロー)飯」。
10年前は屋台でたいてい20元で食べられた。これは為替の変動はあるものの、当時の日本円で80円弱。しかし、今は30元で120円前後。それでも十分安いのだが、100円以内では食べられなくなってしまった。
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台湾フードの定番、「魯肉飯」。


夜市の屋台が海鮮メニューだらけに


日本の祭りの屋台にもメニューの流行りすたりはあるが、台湾では毎晩楽しめる「夜市」の屋台に、最近特に海鮮メニューが増えている。エビや貝などがズラリと並ぶ店は多い。
鉄板焼き、ステーキの店も。単価がそこそこ稼げて効率が良いのかも?
日本人が大好きな台湾、10年でココが変わった!
屋台では海鮮料理が人気に。



士林夜市が拡大&ますます観光地に


台北で最も有名な士林夜市が2011年に改修・拡大して「新士林市場」となり、日本人観光客がますます増えた。10年前は「料理はどれも美味しいけど、飲み物がないのは何故なんだろうか。ビールでも置いておけば儲かりそうなのに」と思ったものだが、今は台湾ビールなども一緒に頼める店が増えた。
また、今は魯肉飯や牛肉麺、牡蠣オムレツから、青菜炒め、蛤炒め、小籠包などといったものまで一つの店で食べられる品数豊富な店も増えた。
日本人が大好きな台湾、10年でココが変わった!
青菜のバリエーションも豊富。

かつては小さな店を短時間でハシゴする楽しみ方が主流だったように思うが、今は一軒で一通り賄える店も多く、腰を据えて飲み食いする日本人の姿も多く見られた(※そのため、すっかり居酒屋気分でできあがってしまい、大騒ぎする日本人の姿も!)


メニューの書き込み式の店が増えた


街なかのお粥屋、麺専門店などではメニューが書かれた紙にチェックを入れて注文できる店が増えている印象。
言葉が話せなくても指さししたりするよりオーダーしやすいので、便利。



台湾に来たら飲みたいタピオカ、今は日本でもポピュラーに


10年前はタピオカミルクティーを街中で見つけるたび、喜んで買っていた。当時は日本語表記がない店も多かったが、今はたいていの店に日本語表記があるし、それどころか、日本にもタピオカミルクティー屋ができたり、スーパーやコンビニで買えたりするポピュラーな存在になった。


パチモン屋が消えた


かつては夜市に行くと、レスポなどのブランドもののパチモンバッグが大量に激安価格で売られていた。パチモンとわかったうえで、土産用にたくさん買う日本人も多数いた。
でも、最近はパチモンをめっきり見かけなくなり、台湾のオリジナルのファンシーキャラグッズを多く見かけるように。

日本企業ますます進出しまくり


これまでにも台北の街中には、ファミリーマートやセブンイレブン、ダイソー、無印良品や三越など、日本企業の店舗はたくさんあった。さらには「日式」という名で、“日本っぽい”メニューを提供する店もたくさんあった。
日本人が大好きな台湾、10年でココが変わった!
「日式」のレストランはこれまでも多く見られた。

しかし、2007年に日本の新幹線技術を海外で初めて導入した台湾高速鉄道(台湾新幹線)が開通、その新幹線駅をはじめとして、新しく作られるビルのテナントが、軒並み日本企業だらけに。街なかにも、大戸屋や吉野家、ABCマートなどが増えてきている印象を受けた。

日本人が大好きな台湾、10年でココが変わった!
台湾高速鉄道(台湾新幹線)の駅にもなった、台北駅。

また、無印が売っているコンビニといえば、日本ではファミリーマートだが、台湾には「セブンイレブン×無印」コラボの店も。
2014年より、無印良品とセブンイレブンが台湾で提携しているそうだ。


日本人観光客、増えすぎ


台北北部の町・九ふん。レトロな街並みは、宮崎駿監督の映画『千と千尋の神隠し』に登場する街に似ていることから、特に日本人に大人気のスポットになっているが、近年の日本人観光客の多さは異常なほど。狭い路地に、至るところ、日本人だらけ。
日本人が大好きな台湾、10年でココが変わった!
大人気スポット・九ふん。

かつてはのんびりお茶できた店も、今は日本人というだけで、メニューを出してもらわず、自動的にお茶のセットが出てくるようになった。


三世代旅の姿も


かつては台湾への日本人観光客というと、若い女性グループが多い印象があったが、今は日本人観光客が非常に増えたことで、近年は子ども~親~祖父母の「三世代」旅を多く見かけるようになった。
2012年にHISで平泉成らが出演する「3世代かぞくの旅」CM第一弾として台湾旅行が紹介されていたが、今はちょうどあのCMのようなファミリーを街中で多数見かける。

移動距離と時間・金額、治安の良さ、日本人に親切なことなども、ちょうど良いのだろう。


ドラえもんやキティちゃんグッズ、減っている?


10年前は、夜市の屋台や、町の本屋など、あちこちにドラえもんとキティちゃんを見かけたもの。タクシーに乗っても、日本人とわかるや、ドラえもんグッズを見せられたことがあった。でも、今はひとつの定番キャラとなっているのか、ぐでたまなどのサンリオ商品や、『NARUTO』『ONE PIECE』などのキャラなどと並ぶ扱いに。


日本人のタレントはほとんど見かけない


かつては夜市でジャニーズのタレントグッズを見かけたり、キャンペーンもあってか、街中でAKB48の写真を見かけたりした。でも、今は日本人タレントを見ることはほとんどなく、K-POPに押され気味な印象(※実際、現地ガイドの人も数年前にそう語っていた)。
10年前は「志村けん」関連のDVDなどをよく目にしたが、今は日本人の芸人の姿も全く見かけない。ピコ太郎も台湾で流れている日本の番組でしか見なかった。
日本人で見かけるのは、資生堂など化粧品メーカーのCMに出る女優さんくらいか?
ただし、ケーブルテレビでは『大食い選手権』や『大改造!!劇的ビフォーアフター』など、テレビ東京系の番組はヘビロテされていた。


歩きタバコは健在


10年前に比べ、日本では「歩きタバコ」の人は本当にいなくなった。でも、台湾では、公共機関などで禁煙になったCMは流れているものの、街中の歩きタバコや飲食店内の喫煙者は多数いる。
また、かつてはやたら見かけたバイクの3人乗り・4人乗りの姿も規制が厳しくなったのか、めっきり見かけなくなった。
日本人が大好きな台湾、10年でココが変わった!
台北市・中正記念堂。

10年間で変わったことも、変わらないこともたくさんあるけど、何度行っても飽きず、ますます台湾が好きになるのだった。
(田幸和歌子)