今回はオマツリジャパンの代表・加藤優子さんに、これまでに参加したヤバい祭りや、この夏に行われる奇祭について聞いてみた。

そもそもオマツリジャパンとは?
――オマツリジャパンについて、教えてください。
お祭りは全国に30万件もあります。でも、そのほとんどが少子高齢化によって担い手が不足していたり、資金が不足していたり、マンネリ化していたり、消極的理由によって元気がなくなってきてるんですね。
お祭りがなくなると人の絆もなくなりますし、コミュニティも消えてしまいます。お祭りで食べている地域は、経済活動そのものが停滞しちゃいます。そうなると、地方に元気がなくなっていきますよね。そこで立ち上がったのがオマツリジャパンです。地域活性化に貢献する世界初のお祭り専門会社です。
――活動内容はどんなものですか?
主に以下の3つです。
1:お祭りのプロデュース
地域の自治体や商店街と一緒に、お祭りコンサルティング、企画考案、チラシ・ポスターのデザイン、当日運営のお手伝いなどをしています。
2:ツアー
ねぶた祭りのような伝統的な祭りは、ツアーという形で参加しています。
3:発信
ツアーで行ったお祭りを、自社ホームページやSNSで、レポートしています。
――オマツリジャパンはどのようなメンバー構成なのでしょうか?
現在は私のほかに取締役が2人と、サポーターと呼ばれるボランティアスタッフが220人ほどいます。20代~30代が中心で、下は18歳くらいから上は55歳くらいの人たちが参加しています。
オマツリジャパンが参加したヤバい祭りの数々
インタビュー後半はサポートメンバーのひとりであり、『奇祭ハンター』でもあるMacさんにも参加してもらい、この夏行われるヤバい祭りを紹介してもらう。

――奇祭ハンターとはどのようなことをされるのですか?
Mac
奇祭ハンターは、全国の珍しいお祭りを紹介したり、実際に行って体験したりするお仕事です。サポーターの中に「変わった祭りが特に好き!」っていう変態が何人かいるんですけど、その中のリーダー的存在ですね(笑)
――お二人がこれまで行ったヤバい祭りで、印象的なものを教えてください。
Mac
神奈川県川崎市の金山神社で、毎年4月に行われる「かなまら祭り」はヤバいです。金山神社の御神体が金属製の男根「かなまら棒」というもので、「男根みこし」が街中を練り歩きます。商売繁盛、子孫繁栄、安産、縁結び、夫婦和合などのご利益があって、年々人が増えていますよ。最近は日本人より外国人客の方が多いですね。


加藤
売ってるものも面白いんですよ。
Mac
男性器の形のキャンディ、子宝飴ですね(笑)おばちゃんが手慣れた手つきで売っています。他にもいろいろ男性器の形をしたグッズが売っています。

Mac
あとは、茨城県笠間市で毎年12月に行われる「悪態まつり」も注目ですね。
悪口は普通ネガティブなものですが、「悪態まつり」は「彼女がいないぞ、バカヤロー!」とか、「給料上げろー!」とか、「歩くの遅いぞ、コノヤロー!」とか、全然ネガティブじゃないんですね。むしろ笑わせたもん勝ちです。最近は、メディアがこぞって取材するようになって、どんどん参加者が増えています。



「奇祭ハンター」厳選! この夏行われるヤバい祭り
さまざまな奇祭に参加している「オマツリジャパン」。これから夏を迎えるが、夏と言えばお祭り! おススメの変わった祭りを聞いてみた。
――この夏、オススメのヤバい祭りを教えてください
Mac
神奈川県鶴見区の總持寺で毎年7月に行われる「み霊祭り」ですね。「アゲアゲDJ盆踊り」とでも言いましょうか、若手のお坊さんが主催する盆踊り大会です。
加藤
スモークや、レーザー光線、シャボン玉も出て、かなり盛り上がりますね。『写真撮ってください』って言うと、肩を抱いてくれるようなチャラ系のイケ坊主や、コスプレ坊主もいます(笑)キラーチューンは『一休さん』です。去年はオマツリジャパンのメンバーで禿面をかぶって、ライブ感覚で楽しみました。

Mac
今年はじめて行くのですが、8月に宮崎県日向市で行われる「日向ひょっとこ夏祭り」も注目です。おそろいの赤い服を着て「ひょっとこ踊り」を踊るんですが、最後に腰をグラインドさせます。
加藤
岐阜県郡上市で行われる「郡上踊り」もオススメです。オールナイト盆踊りなので、夜を徹して踊ります。郡上八幡って小川が流れていて、すごいきれいなところなんです。一回行くと魅了されてしまうそうです。
Mac
7月末北海道富良野で行われる「北海へそ祭り」もいいですよ。富良野は北海道の中心なので、位置的にへそなんですよ。お腹に絵を描いて腹踊りをします。
加藤
へそ祭りは各地にありますね。各県のへそだけでなく、日本のへそ祭りもあるんですよ。熱い季節にやることが多いので、描いた顔が汗でだらだらになっちゃうんですよ。女性やお子さんは、Tシャツに顔やキャラクターの絵などを描いて踊ってるんですが、おじさんたちは腹出して、酒飲んで、裸で踊ってます(笑)
また、8月末に富士吉田で行われる「吉田の火祭り」も注目していますね。たいまつが数メートルごとに置かれるすごいきれいなファイヤー系のお祭りです。

日本の「三大奇祭」多すぎ問題
先ほど、加藤さんから「三大奇祭」の話がでたが、「三大奇祭」も日本全国にあり過ぎてよく分からない状態になっているらしい。
加藤さんいわく、「かなまら祭り」、「悪態祭り」のほか、秋田の「なまはげ柴灯祭り」なども三大祭りと呼ばれるので、全部で20個くらいあるのではないだろうか?とのこと。さらに、どこからどこまでを「奇祭」とするかも曖昧なため、なかなか選定が難しいようだ。
――オマツリジャパン的三大奇祭みたいなものってあったりします?

加藤
そうですね~。「かなまら祭り」、「悪態祭り」は入りますね。他の祭りとはインパクトが違います。あとは、何にしようかな?
Mac
3つじゃ、たらないんじゃない?
加藤
そうですね。三つ目はまだ白紙にしておきましょう。これからも、まだ見ぬ奇祭を求めて。
Mac
100個ぐらいを目指して、もっとあるはずだ! と、奇祭を探し続けたいですね(笑)
最後に、これからのオマツリジャパンの活動を聞いたところ「お祭りをラクに、早く、安く、簡単に作れるWEBプラットフォームを、夏にリリースする予定です」と答えてくれた加藤さん。
申請処理の代行や、チラシ・ポスター作り、パフォーマーの手配、祭りの参加者募集などを行えるそう。
(舟崎泉美/イベニア)