事件があったのは同県楊橋鎮の大塘小学校。被害者は就学前の児童を教育する「学前班」に通う女児2人で5歳と6歳。2人は4月2日、午前の授業に遅刻したため、「学前班」の責任者である申忠文校長に「罰として、放課後に残って勉強をするように」と命じられた。教室に残った2人は目を閉じるよう言われ、赤いスカーフで目隠しされた。赤いスカーフは、成績がよく品行方正な生徒に着用を許すもので、いわば「優秀な生徒」のシンボルだ。
女児の帰りが遅いので、保護者のひとりが向かえに行ったところ、路上でで見つけた。家に向かう途中で女児が、性器を口に入れられ、臭くてたまらなかったと泣きながら繰り返したので、校長の行為が分かったという。
保護者は帰宅後すぐに、別の学校に勤務する黄校長に連絡した。黄校長はただちに、申校長に面会し、問いただした。申校長は事実と認めたが、非常に後悔している様子で、(それ以外には)何もしゃべらなかったという。被害者女児の保護者も「話が広まると困るので、まだ警察には届けないでほしい」との考えを示していたので、その日の話は切り上げたという。
翌3日、申校長は姿を消していた。「人に会わせる顔がない」などと書かれている、家族あての遺書が見つかった。
大塘小学校の教師によると、申校長は教育に熱心で、事件前に異常な様子は、まったくなかった。夫婦仲もよかったという。申校長の妻は被害者の女児の家族と話し合い、それぞれ1万元と2万元の賠償金を支払うことで合意した。その時点で、警察に届けないことを申し合わせたという。
同件は19日ごろから、インターネットでの投稿で広く知られるようになった。事態を知った邵東県教育局は同日夜に、緊急会議を開き、申校長の停職処分と警察への通報を決めた。警察は犯罪行為と断定し、校長の行方を捜している。
中国新聞社によると、児童・生徒が学校教師から性的被害を受けた場合、家族側に「学校を恐れる気持ち」が強く、特に農村部では事件を知られたくない心理が強く働くので、大部分は「個人的解決」で済まされているという。(編集担当:如月隼人)
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