オシドリは、確かに繁殖期前後は仲良く寄り添って暮らしています。というのも、メスを射止めることができなかった別のオスが現れて、すでに夫婦になったメスを奪おうとするのです。だからオスはなるべくメスのそばに寄り添って、妻を守らなければなりません。きっとこの姿を昔の人が見て、「オシドリ夫婦=仲むつまじい夫婦」と解釈したのでしょう。
しかし、実はオシドリは毎年パートナーを変える動物なのです。オシドリは繁殖期が過ぎるとすべてのペアが関係を解消して、一旦リセットします。
そんなオシドリとは違って、パートナーを変えない鳥もいます。例えばアメリカの国章に使われるハクトウワシは、夫婦になった相手を生涯変えません。さらに夫が積極的に子育ても行う“イクメン”です。
◆ケトル VOL.33(2016年10月14日発売)