交際中には見えなかった夫の一面に失望はしても、離婚をするほどではない。でも、共感性の少ない夫には寂しさを感じるため、せめて趣味や嗜好だけでも楽しめる相手と時間を過ごすということは、妻にとっては安らぎの時間となります。我慢し過ぎ、または不満をぶつけて関係が悪化するよりも、ストレスを解消しながらリスク回避をする方法を模索した結果が、このセカンドパートナーという存在かもしれません。
実は女性の方が夫とセカンドパートナーを区別できるゲームのようにすぐにリセットボタンを押すのではなく、即離婚か否か、白か黒か決着をつけるのではなく、結婚生活を続けて行くための生きる知恵かもしれません。
妻がいくらセカンドパートナーを信頼していても、夫は妻のセカンドパートナーがこと男性なだけに、プラトニックを死守できるとは信じていません。また、男性がよく言う言葉に「男の浮気は遊びだけど、妻の浮気は本気になるから許さない」というものがあります。しかし、それはちょっと誤解で、現にこのセカンドパートナーという観点からすれば実は女性の方が夫とセカンドパートナーを区別した関係性が築けています。
夫婦関係において、この状態が健全とは言いがたい実際、当方での相談ケースでも、妻が浮気をしても子供のために離婚は避けたいと言われ、夫の浮気で離婚になるケースが断然多いのが事実です。
夫が妻のセカンドパートナーに理解を示すことだけが丸く収まることではなく、セカンドパートナーであるその男性も、同じ意識の持ち主である必要があります。そもそも、セカンドパートナーに行き着く前に妻が夫の何に失望し、本当に改善が不可能なことなのかを最低限夫婦が共有していることが大切です。
夫以外の男性と話をして、楽しいと感じ、また会いたいと思う気持ち――。夫にとってそれは「恋の一種」だと考えるのは当たり前です。「セカンドパートナー」という格好いい言葉の置き換え。夫で満たされない物を「セカンドパートナー」で置き換え。
そもそも、浮気は男の専売特許。裏切られることに男性は免疫がありません。だから夫は妻の浮気は許せないと主張しますが、これは恐怖心です。妻の「セカンドパートナー」という存在を夫は浮気ではない、新しいジャンルと受け取れるかどうかですが、まだまだ始まったばかりのことで結果が検証されていません。課題は満載ですが、今後の方向に注目していきましょう。
(村越 真里子/夫婦問題カウンセラー)